1.ゴールとは?【2人のW杯 理論を学べる物語】

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第1話 ゴールとは?

時はW杯ブラジル大会の翌年4月。

 

俺は都立大井川高校に入学した、早野尚紀(はやのなおき)

 

 

中学野球で俊足巧打の2番バッターとして全国大会にも出場したこと噂になり、

 

 

野球部の囲い込みがスゴい、いや、ウザい…

 

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野球部主将の池野
は・や・の くーん!今日はもちろん、うちの練習に参加するよね?」

 

 

尚紀
「…」

 

 

池野
ね!ね!

 

 

尚紀
「…」

 

 

 

 

池野
「…頼む!おまえが頼りなんだよ」

 

 

尚紀
「先輩、何度も言ってますけど、僕はもうスポーツやらないっす。」

 

 

池野
なんで!?それだけの才能と実力があるのに!」

 

 

尚紀
「それも何度も言ってますよね。体育会系のあのノリが嫌いなんですよ.上に従うだとか、罵倒し合うのが気合いだと勘違いしてるところだとか、根性論はもう飽き飽きなんです。それじゃ、失礼します.」

 

 

本当にウザい…

 

うちの野球部は影では体罰すらあると言われているクソみたいな部活だ.

 

 

絶対に入らない。

 

 

野球は好きだが、体育会系は嫌いだ。

 

 

??
おー、おー、おー!体育会系って一括りにしないでほしいなぁ」

 

 

誰だ?

 

 

??
「ふっふーん、誰だ?って顔だな。」

 

 

俺の視線の先には、30代くらいのあご髭を整えたジャージ姿の男がいた…

 

…いたんだが、すぐにその先に視線を奪われた。。

 

 

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??
「おい、俺を見たのは一瞬かよ。まぁ、仕方ないけどな、年頃の男の子にはな(笑)」

 

 

今現在の俺の視線の先の、その女性に、俺の視線と心まで持っていかれたようだった。

 

 

???
こんにちは、早野さんですよね。噂になってますよ!」

 

 

まじか!

 

いきなり話しかけてくれて、さらに俺のことを知ってる??

 

 

???
「いきなりごめんなさい、私、サッカー部のマネージャーの2年の飯野紗季(いいの さき)と申します。で、こちらの失礼な人が、サッカー部顧問で体育教師の新谷毅彦(あらや たけひこ)先生です。早野さんは野球部には入らないのですか?」

 

 

尚紀
「あ、はい。体育会系の雰囲気が苦手で…それで…」

 

 

新谷
「ほぉ、体育会系の雰囲気ってなんだ?」

 

 

いや、あんたと話してないし…

 

 

尚紀
「根性、根性で、頭使ってない感じだし、ツラいことが美徳みたいなところがあるし」

 

 

新谷
「うん、そうだろうな。じゃ、新しい体育会系ってのを見せてやる.サッカー部に入れ。」

 

 

紗季
いいですね!早野君って足速いんですよね!」

 

 

尚紀
いやいや、サッカーなんてやったことないし」

 

 

新谷
「じゃ、野球部は入れば?」

 

 

それを断ったところを見てたくせに…

 

 

 

 

尚紀
「考えときます…」

 

 

と一言残して、俺は帰路にたった。

 

 

 

だけど、心の中ではもう決まっていた.

 

 

 

うちの学校は何かしら部活に入らないといけないという規則だった.

 

野球部はもう勘弁だったので、ゆるーい部活に入るつもりだった.

 

 

しかし、残念ながら、というべきか、

 

やっぱりというべきか、

 

 

サッカー部に決めたのは不純な動機だった.

 

 

 

新谷
「おお!来たな、尚紀」

 

 

早速、下の名前か。馴れ馴れしい。

 

 

紗季
「ようこそ、サッカー部へ!」

 

 

くそ、新谷の前でも赤面が抑えられない。。

 

 

新谷
はっはっは!わかりやすいな。少年!」

 

 

ウザい。。

 

 

 

新谷
「まあ、いいや。それじゃあ、サッカー初心者の尚紀が紗季にいいところを見せるためにどうしたらいいか教えようか」

 

 

おま、お前…

 

 

紗季さんの前で…

 

 

紗季
「はい?なんですか?」

 

 

お決まりのニブい美人で助かった.

 

 

尚紀
「でも、サッカー初心者なんで、基礎の基礎を叩き込むしかないですよね?」

 

 

新谷
「…うん、間違ってない。そして、先輩の世話をして、グラウンド整備を全部受け持って、それなのに練習では罵倒されながら、ヘタクソを連呼されながら、這い上がっていくかい?」

 

 

尚紀
「まあ、所詮、そんなもんだろうと思ってますし、覚悟できてますけど」

 

 

新谷
「おい、紗季、すごいな、お前。そこまでの覚悟をお前がさせたんだ」

 

 

こいつ、コロス…

 

 

紗季
「わたしがですか?」

 

 

もう、紗季さんの方を見れない・・・

 

 

新谷
「まあ、いいよ。尚紀いじりはこんくらいにして。グラウンドを見てみろよ.罵倒響いてるか?誰が先輩で、誰が後輩かわかるか?」

 

 

尚紀
「ん?・・・確かに。。。声はめっちゃ出てるけど、みんな楽しそうだな」

 

 

新谷
「そう、これがこれからの体育会系

 

 

新谷
「で、さっきの話に戻るけど」

 

 

尚紀
「俺がサッカーでいいところを見せるって話ですね」

 

 

新谷
「そう、基礎の基礎を叩き込む。これは間違いなく必要だ。だけど、何より大切なのは、どうやって上達していくか、そのメカニズムを知ることなんだ。

 

あ、紗季、あっちでテーピング頼む。」

 

 

紗季
「はい。わかりました」

 

紗季さんは練習中の選手たちの方へ走っていった.

 

 

尚紀
「メカニズム?? 難しいことはやめてくださいよ.練習やりまくればいいんでしょ?野球もそうやって、やらされまくってうまくなりましたよ」

 

 

紗季さんがいなくなって、俄然モチベーションダウンだ。

 

 

新谷
「難しいことは無い。だけど、野球でうまくなったという過去はこのメカニズムを理解するのに助けてくれるかもしれないな。尚紀が一番、急激に野球がうまくなったと思うきっかけはあったか?」

 

 

尚紀
「えー、きっかけですか??んー」

 

 

尚紀
「ああ、やっぱり、いきなり上級生チームのレギュラーで使われた時からですかねぇ。あの鬼監督から、『お前が2番で引っ張っていければ全国優勝も狙える』って言われた時は震えましたよ」

 

 

思わず、ちょっとした自慢話をしてしまった。

 

 

新谷
「いいね、それ。それでなんで上手くなれたんだ?」

 

 

尚紀
「そりゃ、モチベーション上がりますよ」

 

 

新谷
「うんうん、それで練習をいままでよりも頑張ったと?」

 

 

尚紀
「そうですね」

 

 

新谷
「悪いが、俺は、『お前がセンターフォワードで引っ張っていければ全国狙える!』なんて言わねえぞ。」

 

 

尚紀
「??どういうことですか?」

 

 

新谷
「つまり、その例でわかるのはこういうことだ。お前は他人から与えられたゴールに向かって頑張れたわけだ.ここでまずポジティブな面は、『その程度の』ゴールでも、ゴールがないよりは遥かにマシなわけだ。」

 

 

尚紀
マシって!!全国大会出場の2番までなれたんだから、上出来でしょ」

 

 

新谷
「そう、そこが『その程度の』ゴールって所以だ。そんなんだから、全国大会1回戦負けの原因となるバントミスなんてしちゃうわけだ」

 

 

な!なんで、そこまで知ってる?

 

 

それもほじくり返すように!!

 

 

尚紀
だからって、そんな言い方!!

 

 

新谷
「まあ、怒るな。事実は事実で受け止めろ。なんて、高一に言うのも酷だが。お前はそれだけの経験と能力を持ってる」

 

 

腸が煮えくり返るとはこういうことか…

 

 

俺の努力を全て否定されたような気がした。

 

 

 

尚紀
「じゃあ、『その程度』じゃないゴールってなんなんですか?」

 

 

新谷
「知るか。お前が決めろ」

 

 

尚紀
はぁ?全然わかんないです」

 

 

新谷
「はぁ?はいかんなぁ、俺は仮にも先生なんだけどなぁ.まぁ、いい。お前が決めてないゴールってのがまず一番いけないところだ。その野球の例も鬼監督に決められたゴールだろ.他人に決められたゴールで嬉しいか?」

 

 

尚紀
「だって、その段階じゃ、俺がどこまでいけるかなんてわかんないし、そうやって認められたって思うと嬉しいし、モチベーション上がりますよ。」

 

 

新谷
「で、その最後の試合に負けた後に監督になんて言われた?」

 

 

尚紀
「いや、特に何も…」

 

 

新谷
「それでゴールがなくなった…ってことか。意味わかるか?他人に認められることはいいことだ.どんどん認められろ.ただ、
ゴールはお前自身が決めるんだ。そうでないと、そうやって、これからの人生も他人の価値観で生きて、他人から見捨てられれば、路頭に迷う」

 

 

尚紀
見捨てられたわけじゃ!

 

 

新谷
「結果的には同じだ.お前は野球に対するモチベーションを失ったわけだからな。もしそうでなく、その鬼監督に『お前はプロになる素質があるから、高校でも期待してるぞ』とでも言われたら続けたのか?わかるだろ?その空しさが」

 

 

尚紀
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない…納得はいかないですね。」

 

 

新谷
「正直でいい.いきなり全部納得できなくていい.先に進むぞ」

 

 

尚紀
「はい。」

 

なんか、煙に巻かれてるような…

 

 

新谷
「もう1つの、その<ゴール>の問題点がある。それは・・・

 

しょぼいことだ。」

 

 

尚紀
!!

 

 

尚紀
「しょぼいって…全国大会優勝ですよ?」

 

 

新谷
「うん、しょぼい。だって、お前のチーム、何年か前もいってるだろ、全国大会に。それも決勝まで」

 

 

尚紀
「はい、3年前に…」

 

 

新谷
「それだけの能力のあるチーム、少なくとも可能性のあるチームにしては、それはしょぼすぎる。もっと、ぶっ飛んだものが必要だ。」

 

 

尚紀
「そうは思えないですが」

 

 

新谷
「それを理解するには、上達のメカニズムを知らないといけない」

 

 

尚紀
「やっぱりそこですか・・・」

 

 

新谷
「納得しようがしまいが、まずは復習だ。

 

1.ゴールは自分自身で決めること。

 

2.ゴールはぶっ飛んだものであること。

 

 

尚紀
「はい、それは覚えました.」

 

 

新谷
「じゃあ、今日はここまで。帰っていいぞ。この去年のW杯のビデオでも見てろ」

 

 

尚紀
え?サッカーの練習は?」

 

 

新谷
「メカニズムを理解するまではナシだ」

 

 

なんだそりゃ、と思いながらも、

 

W杯は野球の試合で見れなかったから、見たかったのも事実。

 

おとなしく帰ってみることにした.

 

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つづく…

 

 

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