理想のピッチングフォームに必要な筋力を求める方法

この記事は3分で読めます

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。

野球をやる、指導する上で絶対に欠かせないのが、
投球フォーム、ピッチングフォームに関する知識です。

なぜなら、野球における怪我(傷害)の多くが、
ボールを投げることの繰り返しによるオーバーユースが原因だからですね。

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当然ピッチングフォームにおいて、
特定の部位に強い負担を強いていれば、
そこの部位の怪我の可能性はグンと上がります。

そういった中で、多くの専門家が、
理想のピッチングフォームについて議論し、
そして、どういうふうにフォームを変えていくかについて、
様々な方法論を提唱しています。

まず、シンプルに、
理想のピッチングフォームを獲得できない理由を考えてみましょう。

  • 脳内で鮮明なイメージが作れていない・もしくはイメージを体現できていない
  • 筋力が足りない
  • 柔軟性が足りない

この3つが主な原因です。

その中で今回は

  • 筋力が足りない

ということについて話していきましょう。

理想のピッチングフォームに筋力が必要だ

ここで野球界の古い指導者が間違いがちなのが、

「下半身ができてないから、手投げになるんだ。走りこんでこい!グラウンド10週!」

苦笑しちゃうほど、典型的なコメントを挙げてみましたが、
さすがに現代でここまで「コテコテ」な人はいないかもしれませんね。

ただ、ここからそんなに進化できてない指導者が多いのは事実です。
このコメントの

  • 下半身ができてない?具体的には?
  • グラウンド10週で下半身が強くなる?…わけないよね。

という2つの突っ込みどころのうち、前者についてのお話ですね。

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必要の筋力を求めるために必要な2つの知識

1.筋肉の解剖学的知識

まず、これが必須です。
必須ですけど、めちゃくちゃ奥が深いです。

正直、日々手術をしている自分でも、
毎日学び続けています。

たくさんある筋肉にも、それぞれ独立した働きもあれば、
共同しての働きもあり、
かつ、ある関節の肢位(関節の状態:腕を上げた状態とか、下げた状態とか)によって
働く筋肉の割合が大きく変わるなど、
まだ研究段階のものもあります。

ただし、これについても
「自分は専門家ではないから、お手上げ!」
となることはありません。

一番の近道は、
「全身の筋肉の走行を立体的にイメージできるようになる」
ということです。

これによって、複雑な動きの中でも、
筋肉がどう働くか、かなり正確に推測できるようになります。

こういったアプリを使うのもおすすめです。
Essential Anatomy (Mac app)

2.運動連鎖の知識

ほとんどスポーツ動作において、この運動連鎖の貢献は相当大きいです。

人間の数ある関節を、フル動員して動かせば動かすほど、
その関節運動は複雑に絡み合い、連鎖し合いながら、
最終の高いパフォーマンスに到達します。

これが単独でバラバラに動いてしまえば、意味がありません。

ピッチングフォームにおいて
すごくシンプルに話せば、

ステップによって得られた並進運動のエネルギーを、
ステップ脚で受け止め、股関節の回旋に繋げ、
それは体幹を回旋させつつ、肩甲骨と肩関節の動きを引き出し、
最終的に肘は伸ばされて、ボールがリリースされる。

この連鎖です。

この連鎖が分断されるのであれば、
極端な話、椅子に座って、腕だけで投げるようなものです。

一気にパフォーマンスは落ちますよね。

そして、この運動連鎖の知識が足りないと、
例えば、わかりやすい残念な間違いとして、

「投げるときに肘は曲がった状態から伸ばされる。
だから、上腕三頭筋をがんがんに鍛えよう!」

となるわけです。

しかし、運動連鎖を理解していれば、
肘は上腕三頭筋で伸ばすのではなく、
「運動連鎖の中で勝手に伸ばされる」

もう少し正確に言うと、
「遠心力やコリオリの力によって伸ばされる」
わけです。

ですから、優先的に鍛えるのは、
上腕三頭筋ではないわけです。

このように説明していくと、
理想のピッチングフォームについての知識って、
果てしないなぁと感じるかもしれません。

まぁ、正直、今までが安易に考えられすぎていたと僕は思います。

実際、バイオメカニクスの研究の中でも、
まだまだわからないことだらけなのが現状です。

そんななかで、

学び続ける人が、進化し続ける人

であることは疑いの余地がないでしょう。

ピッチングフォームについて、
深く学ぶことは、結果、解剖の知識レベルを高め、
運動連鎖に対する知識を深め、
結果、その他のスポーツ動作についても活かすことができます。

そういった意味でも、
我々は積極的にこの難題に取り組んでいくつもりです。

変わる快感クラブでも
ベースボールフォーミュラと題して、真なる野球の基本を作り上げることを開始しています。
興味のある人は、是非参加してみてください。

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当サイト管理人 歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師

川崎市立井田病院
景翠会 金沢病院
さくら通り整形外科

各非常勤医師

関東の複数病院において外来診療・手術を行っている。
ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

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