舟状骨骨折はギプスにしろ手術にしろ後遺症を残すな!見逃し、放置例が続出!

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こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。
SMCの記事をご覧いただきありがとうございます。
今日はスポーツにおける手根骨骨折の中で最も多い舟状骨骨折について解説します.

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舟状骨骨折

このレントゲンが典型的な舟状骨骨折ですが、
手首の親指側の小さな骨である舟状骨の骨折です。

 

これはいくら強調してもしきれませんが、
何より見逃さないことが大切です。

実は痛みがあってもプレーすることができちゃうことがあるんですね。
だから、指導者も両親も病院を受診させないことがありますし、
トレーナーが介入している強豪チームでも、むしろ民間療法的なことや、
ストレッチでお茶を濁しがちです。

僕自身、そういった形で放置されて治療が難しくなる選手を何人も見ています.

また、舟状骨骨折は様々な普通の骨折とは違う押さえておくべき点があり
手術もよく行われますし、後遺症も少なくない骨折です。

治療はギプスか手術

単純に折れていますから、骨をくっつけないといけませんね。
そのために骨折部がくっつくまでグラグラせずに保つ必要があります.

そのための方法がギプス手術になるわけですが、
その選択は主に以下の2点で決まります.

  • 骨折がどの程度ずれているか?
  • どのくらい早くスポーツに復帰したいか?

ということです。
つまり、骨折がずれてなくて、ギプスで2か月以上固定ができるという場合には、
ギプスでいきますが、
ずれていていい位置に戻す必要がある場合や、早く復帰したい場合には、
手術が必要になります.
(手術をすれば、ネジなどで強く骨を固定しますから、
早めにリハビリに移れることが多いです)

これについてはほとんどの骨折で共通した話です。

しかし、舟状骨骨折特有のポイントとして、
後遺症の問題があります.

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舟状骨骨折は偽関節などの後遺症が残りやすい

舟状骨骨折っていうのは、他の骨折に比べて、
後遺症が残りやすい骨折です.

その後遺症とは、

  • 骨がくっつかなくなること(偽関節といいます)
  • 手首の関節の軟骨のすり減りと変形

が起こり、その結果

  • 手首の痛みが残る
  • 手首の動きが悪くなる(可動域が落ちる)

そのため、スポーツパフォーマンスが上がらない、
もしくはスポーツ自体を断念しなくてはならなくなることもあります。

舟状骨骨折はなぜ後遺症が残りやすいのか?

後遺症が残りやすい要因は主に次の2点です。

  • 舟状骨を栄養している血管が骨折で傷めやすい
  • 見逃し・放置例が多い

もちろん血管が痛めば、骨に栄養がいかなくなりますから、
骨がくっつかなくなります。

そして、なにより、見逃し・放置例が多いというのが重要です。
実際、我々整形外科医の中でも、
レントゲンで分からないことがあることで有名な骨折ですから、
非常に注意してみます。

そして、なにより冒頭でも話しました、
スポーツ現場での見逃し・放置となってしまった選手が
僕が知る中でも何人もいます.

ですから、ぜひ舟状骨骨折を現場で疑える!という力をつけてほしいと思います.

これがあれば舟状骨骨折を疑え!

1.手をついた・手首を捻った!

まず何がきっかけで痛くなったかを選手に確認することが大切です。
多くは転倒時に手のひらから地面に手をついたケースですが、
他にバレーボールのレシーブやゴールキーパーのキャッチングで、
無理に手首を反ってしまった(背屈)ケースもあります。

IMG_0423

 

2.この2点を押して痛い!

手首のやや親指側「舟状骨結節」

この場所の押し方ですが、
まず「脈」をとる場所がありますよね。
これは橈骨動脈を触っています.
そのすぐ小指側にいわゆる「スジ」があると思います。
これは「橈側手根屈筋腱」というもので、
手首を曲げる腱(筋肉の先のスジ)です。
その腱に沿って手のひらへ触っていくと、
硬い骨の突起が触れます。
これが舟状骨結節です.
舟状骨骨折
舟状骨骨折

ここを押して痛いかどうかを調べてください。

かぎタバコ入れ「Snuff Box」

次にここ。舟状骨骨折と言えば、ここです。
親指を伸ばして反らして下さい。
そうするとこのようにスジが張りますね。
このスジは親指を伸ばす筋肉のスジです。
(長母指伸筋腱、短母指伸筋腱)
このスジの間が「かぎタバコ入れ」です。
ここにちょうど舟状骨があるわけですね。
snuff box
ここを押して痛いかどうかを調べてください。

3.何となく痛みが続く・パフォーマンスが上がらない

ちょっと手をついた程度、ちょっと手首をひねった程度で、
特に指導者に言わなかった場合に発見が遅れます.

ですから、少し脱線しますが、
非常に大切なこととして、

  • 選手がちょっとした痛みでも指導者に相談できる環境づくり
  • 指導者がよく見てあげること

ということを徹底して下さい.

  • 指導者が怖くて、言い出せない。
  • レギュラーから落とされそうで言い出せない。

なんて状態は最悪ですが、よほど注意して雰囲気を作り、環境を作らないと、
この最悪の状態になっているチームが日本には多いのが現状です.

それと同時に指導者は、
選手の痛がっているちょっとした仕草
パフォーマンスの低下に気付く必要があります.

そして、コンディショニングとして、数値化して客観的にみれるもの
いくつかチームとして管理することが大切です.

基本中の基本として簡単にできるものとして

  • 体重
  • 体脂肪
  • 起床時の脈拍数
  • 食事摂取量(食欲)

これらがありますが、
その他に普段から握力を測定していれば、
舟状骨骨折を疑う指標になり得ます。

舟状骨骨折で痛みがある選手は、
たいてい握力が落ちています.ですから、これで見逃しを防ぐことができます.

 

以上の様なポイントを押さえていただくことは、
その他、怪我の予防、パフォーマンス発揮のためのヒントにもなります。
是非、舟状骨骨折の見逃しをなくしつつ、進化していきましょう。

 

お読みいただきありがとうございました!

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シェアなども大歓迎です。

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手首の痛みとして、
もうひとつ、ぜひ知っておいていただきたいのがこちら↓です!
参考になれば幸いです。

手首の小指側の痛みの原因から治し方まで TFCC損傷の基本を知る

引用画像:ネッター医学図譜 筋骨格系III 丸善株式会社
Grant’s Atlas of Anatomy ,Wolters Kluwer Health

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