熱中症の症状 寒気や熱が出たら注意が必要 スポーツドクター解説

この記事は5分で読めます

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。

今回は熱中症について、サクッと理解してもらいます。
よくある家庭の医学の丸パクりのような情報ではなく、
一度読めば熱中症がどんなものなのか、
それをイメージできるように書いたつもりです。

ぜひご参考にしてください。

熱中症と言っても、いろんな症状があって、何がなんだか分からない。
いろんな症状があってそれぞれ処置が違うのか?という質問も受けます.

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先に結論から言います。

今回のホメオスタシスという
人の中枢的機能を主人公としたストーリーをまず頭に入れて下さい.

そうすることによって熱中症の症状について、
より深く理解できて、
熱や寒気がでたときこそ注意が必要と言うことがわかります。

 

熱中症とは、ぶっちゃけて言えば
「暑い中で生じるカラダの異常」
なんですね。

ん?

当たり前ですか?

まぁ、そうなんですが、聴いて下さい。
いや、読んで下さい。

人が生命を維持するのに最も重要と言ってもいい機能に
ホメオスタシスというものがあります。
日本語で恒常性維持機能ですね。

人には生まれながらに、
もしくは環境に左右されながら、
「ここが過ごしやすい、ここが安全!」というゾーンがあります.

それをコーチング用語では
コンフォートゾーンと言うわけですが、
このコンフォートゾーンから外れた、外れそうというときに、
戻そうとする力、作用、働きのことをホメオスタシスと言います.

ということでホメオスタシスを主人公として熱中症の症状を見てみましょう。

ホメオスタシスからみた熱中症の症状

体温においてはコンフォートゾーンは非常に厳密です。
5℃違ったら死にます。

熱が出た!と言って大騒ぎするのも、
大抵 はたった2-3℃上がったときですよね。
それですら命の危険が伴うことがあるわけです。

ですから、ホメオスタシスも体温調節にはめっちゃ頑張ります!
なんせ命がかかってますから.

 

だから、暑いところなんかに長くいようもんなら、
カラダは

「ふざけんな!お前の体温調節がどれだけ大変か分かってんのか!?」

ってことで、キレてきます。

 

そんなメッセージ付きのアピールだと思ってもらえば、
熱中症の症状が多彩なのも理解しやすくなります。

なんて、わかりやすくもない例え話でお茶を濁すつもりはありませんが(笑)
熱中症の軸はやはり強烈なホメオスタシスです。

 

その熱中症の症状についても、バラバラに見えますが、
ストーリーで理解すると繋がりが見えてきます.

まず、暑い中にいれば、
単純に物理的に体温は上がってしまいます.

それをホメオスタシスの作用でカラダが頑張ります.

 

具体的には
カラダの中で熱を生まずに、放散することになります。

そのための作戦の第一が発汗ですね。
汗を出すことで、そ
の汗が気体に蒸発するときに熱が奪われますから、
体温が下がるわけです。(気化熱)

それと同時にカラダの中で熱を作らない様にします。

 

カラダの中で熱をつくる代表的なものが、筋肉の活動です。
つまり、運動ですね.
だから、ばりばり運動すれば、熱が作られるので、
「暑い上に中からも熱を作りやがって!」

と、やはりホメオスタシスの逆鱗にふれます。

だから、暑い中ではすぐ疲れる(疲労感)わけですね.
ホメオスタシスが疲れさせているわけです。

 

ここで問題が出てきます!

もうひとつのホメオスタシス作用とのケンカになります。

体内の水分量(+塩分濃度)ですね。

これも人の命にとってめっちゃ大切です。
人は一週間、栄養をとらなくても、死はしませんが、水分は…死にます。。

体温があがっちゃうから汗を出すのに、
そのせいで脱水になってしまう。
しかし、脱水だからと汗を制限したら体温が上がってしまう。

そして筋肉から熱を産生しないように早く疲れさせてるにも関わらず、

根性だ!とか
監督が怖いとか言って無理する…

もう、カラダにとっては八方塞がり感満載なわけです。

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ホメオスタシスの頑張りが熱中症の症状そのもの

そうするとホメオスタシスもなりふりかまっていられません。

  • いかに熱を放出するか?
  • いかに熱を生み出させないか?
  • いかに水分を保つか?

本気を出してきます。

まず何よりあなたの意志でどうにかなりやすい、
「熱を生み出さない!」という点にフォーカスし、
あの手、この手で、あなたを休ませようとします。

まず、塩分濃度バランスが少しずつ崩れ、
細胞の中からむくんでいきます。

これはどういうことかと言うと、
浸透圧というものが絡んできますが、
単純に細胞の中の塩分濃度と細胞の外(代表的には血液ですが)の
塩分濃度のバランスは一定に保たれます.

これもホメオスタシスです。

それが細胞の外、すなわち血液の中の塩分濃度が減ってしまうと、
塩分を濃くするために血液中の水分を細胞内に渡しちゃいます。

そのため細胞にとっては余計な水が入ってきて、むくんじゃうわけです。

 

脳や神経の中での細胞のむくみは、
頭痛や吐き気、めまい、こむら返り、痙攣、しびれ、筋力低下として現れます.
また、強い疲労眠気を感じさせます。

また、足や手であれば、
そのまま「むくみ」として現れます.

これが、カラダが(ホメオスタシスが)休め!と言っているサインです。
まぁ、シンプルにこれらの症状がでれば休みたくなりますよね.

ですから、ここまでのストーリーでどうすべきかという処置についても繋がりますね。

ホメオスタシスが悲鳴を上げて助けを求めているわけですから、
こちらも協力してあげなくてはいけません.つまり、やるべき処置は、

  • 適切な水分+塩分補給
  • 体全体の冷却
  • 休憩

この3点に集約されるわけです.

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では、それでも無理してしまった場合、
処置が遅れてしまった場合ですが、

脱水も防がなきゃ、体温上昇も防がなきゃの中で
ホメオスタシスが限界を超え

徐々に体温が上がってきます.
つまり、発熱です。

熱が出てしまうということは、

対応調節というホメオスタシスの限界を超えたことを表し、
危険な兆候だということです。

 

そうなると、寒気で暑いのにブルブル震えたりします。

 

この熱は、いわゆるカゼのときの熱とは別物です。

それはホメオスタシスの視点で見れば、当然のことなのですが、

カゼのときは、体内のウイルスを退治するために、
あえてホメオスタシスが熱を上げるわけです。
そして、ウイルスを退治する能力を一時的に上げているわけですね.

しかし、熱中症の発熱は、
暑い環境にやられて、
ホメオスタシスは頑張って熱を平熱に保とうとしたのに、
限界を超えてしまったという事なんですね.

つまり、ホメオスタシスが自ら進んで体温を上げたケース(カゼ)と、
ホメオスタシスが阻止しようと頑張ったのに無理だったケース(熱中症)では、
まったく違うのは分かりますよね.

そこで、何が起こるかと言えば、
全身の望まない熱から、体中に炎症が起こり、
いろんな臓器が傷み出します。

その中には脳、心臓、筋肉、肝臓、腎臓、肺を含み、
いかにも命に関わりそうな臓器がありますよね。

そうなんです、本当に危険なんですよ.

 

この時の症状はもっと多彩です。
あれだけの臓器が関わっていますから当然ですね.

その中でも典型的なのは

  • 40℃を超える発熱
  • 意識障害(もうろうとした状態、錯乱状態など)
  • 脈が異常に速い
  • 呼吸が異常に荒い

などがあります。

もちろん、こんな状態にならない様に、
もう一度言います.
ホメオスタシスに逆らわずに協力してあげるってことです。

具体的には

  • 適切な水分+塩分補給
  • 体全体の冷却
  • 休憩

でしたね。

今回は、熱中症の多彩な症状や、
いろいろなことが言われる処置のこと、
その病態について、少し混乱気味の人が多いので、
整理する意味でも、
抽象的ではありますが、でも、
ボヤーッとではない正確な理解を目指しました.

この理解があれば、
具体的な症状のメカニズムであったり、
対処法、そして予防法について学ぶ際にも、それぞれの知識が繋がり、
理解が深まり、結果として実践的な知識になります.

そのステップを踏まずに、
ただ、水分補給が大事なんだ!と水をがぶ飲みしたり、
熱中症は意識障害がヤバいと聞いたから、
ちょっとした頭痛くらいはガマンしろ!とか、

まあ、このページの読者さんは、
こんな極端な間違いは犯さないでしょうが、
それに近い間違いや勘違いなどがおこるわけですね。

ということで、今回の話をスタートに、
熱中症についてより深く学んでいってください。

 

診察ご希望の方
当サイト管理人 歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師

川崎市立井田病院
景翠会 金沢病院
さくら通り整形外科

各非常勤医師

関東の複数病院において外来診療・手術を行っている。
ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

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