自信喪失の意味とは? 辞書からアスリートから学ぶ スポーツドクター解説

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新明解国語辞典第七版より

自信:
そのことをまちがいなくうまくやることが出来るという自己評価。
[新明解国語辞典第七版]

喪失:
-する (他サ)
〔それまでその存立を支えていた大事なものを〕
失うこと。
[新明解国語辞典第七版]

 

そのままですよね、

そのことをまちがいなくうまくやることが出来るという自己評価(自信)を失うこと(喪失)。

 

これが国語辞書的な意味です。

 

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。
SMCの記事をご覧いただきありがとうございます。

 

今回はこの「自信喪失」ということを深く掘り下げたいと思います。

そのための格好の勉強材料が

2013年6月15日 FIFAコンフェデレーションズカップ
日本対ブラジル戦

この時に日本代表選手のコメントに隠されていたので紹介します。

 

さて、この日の試合の結果ですが、

日本 0-3 ブラジル

・・・

 

 

完敗ですね。

 

 

個の能力、戦術、その他いろんな要素がありますが、

今回はこの試合の前後の選手コメントから、
まずメンタリティーについて、分析してみたいと思います.

 

試合前の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
―前回は挑戦する感じだったが、今回は勝ちに行く?
「10月も勝ちに行った。でも、実力を見せつけられた。前半で点を取られたのが痛かったし、立ち上がりは集中して入りたい」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
―ブラジルと対戦するのは初めて?
「初めてですね。Jリーグでも、ブラジル人はみんなうまかった。それの選ばれた集団。やってみたら分かることだと思うけど、明日は楽しみ。日本にも欧州で やっている選手がたくさんいる。どういう試合になるか想定できていると思うし、驚かないというのはある。個人的にもブンデスでもバイエルンと5、6回やっ ているし、意外にバイエルン相手にはやれている自信もある。それは生かせると思う」

●DF今野泰幸(G大阪)
「メンバーも違うし、ホームで負けられないだろうし、親善試合と公式戦が一番の違い。本当に真剣なブラジルとやれる

●DF長友佑都(インテル)
―ブラジルとの再戦だが?
「あのときよりブラジルは本気を出してくると思う。自分たちがどこまでやれるか、どこまで成長しているか。楽しみでしょうがない。Jリーグで対戦したフッキだったり、世界のトップであるダニエウ・アウベスとやれるのは楽しみ」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―ネイマールとオスカルがポジションチェンジすることが多いが?
「とにかくマークの受け渡しをしっかりとすること。2人ともギャップでボールを受けるのが得意なので、ボランチをうまく使いながらやりたい。逆に言うと、そのスペースでボールを受けられて、前を向かれるとすごく苦しくなる。気をつけないといけないことだらけです(笑)」

ゲキサカ 2013年6月15日

 

 

テレビ等でも試合前に目立ったコメントが、

「どれだけ差を縮められているか」

「どこまでやれるか」

というようなコメント。

 

「現実を知る」「現実を直視する」というような言葉が
もう日本人の潜在意識の中に埋め込まれているので、
批判を受ける可能性が高いという背景があると思います.

 

しかし、このコメントから
日本選手の良くない自己評価をより強めていることが分かります.

その自己評価とは

ブラジルは日本より上である。それも1年前ははるかに上。
そう0−4のスコアが表すように

今はそこまでは差がないのではないかと期待している.
それでもブラジルが上だけど

 

そういう自己評価なんですね.

押し並べてみんな。(本田選手のコメントがないので興味はありますが)

 

それで勝つつもりと言うのだから、
まだまだメンタル面では未熟です.

勝つつもりなら、自己評価も

「1年前は0-4で負けたが、当時からは間違いなく日本は急成長しており、
現時点では実力的に凌いでいると思っている.
ファンやメディアの方からは否定されるかもしれないが、
僕らは本気でそう思っている。だから、初戦は勝ちます。」

というコメントが出るくらいがスタートなんだろうと思います.

 

本当に「気持ちで負けない」というのはこういうことじゃないでしょうか。

 

試合後の選手コメント

そして、試合後のコメントです。

●MF香川真司(マンチェスター・U)
「これが結果だと思うとすごく悔しい。ただ、この試合を見る限り、僕たちは攻守において完敗だった。僕たちがしっかりと気持ちを持って挑んだ試合でこれくらいの差があるのかと思うと、すごく悔しいというよりは、これが結果なのかという残念な気持ちでいっぱいです」
―ブラジルは思ったより手強かった?
「ブラジルはもちろんそうだけど、アウェーでこういう試合を滅多にできるわけじゃない中で、トライしなかった。あれだけ勝ちに行くと言っておきながら、それをしなかった。示す作業もせずに終わったという感じで、すごく悔しいというかもったいないです」
―パスの成功率が低かったが?
「そうですね……。まだちょっと整理がつかないけど、個人の能力で片付けるのもあれだけど、僕らはもっとやれるし、やらなきゃいけない中で、どうしても消極的なサッカーになっていた。それに尽きる」
―昨年10月よりも衝撃的な試合だった?
「はるかにそうですね。この前より重い敗戦。この前の方が収穫があった。チャレンジできた。今回は真剣勝負というか、その中で僕たちはチャレンジできなかった。それは大きな問題」
―相手がエリア近くで人数をかけて守っていた?
「常に数的不利な状況が今日は多かった。選手の連動性もなかった。こういう戦いでそれを出さないと厳しいとあらためて感じたし、人数をかけていかにリスクを冒して攻めるかというのをあらためて感じた」
―今日つかんだものもある?
「どうですかね。出てこないですね、言葉がうまく。ただ、次につなげていかないと。これで終わりじゃないし、W杯でも初戦で負ける可能性は十分にある。イタリア戦に切り替えて、まず今日はしっかり切り替えることが大事です」

●DF長友佑都(インテル)
すべてにおいてレベルが違う。もう悔しいという気持ちを通り越している」
―昨年10月の対戦時と比べてブラジルとの差は変わった?
何も変わっていない。むしろ(差は)開いている
―公式戦ということで違いは?
「向こうも本気を出して、気持ちが入っていた。これが本当の世界のトップなんだと感じた。僕はずっとW杯優勝を目指すと言ってきたけど、腹を抱えて笑われるレベル」
―目標設定を修正する必要もある?
「修 正する必要というか、目標をグループリーグ突破にするんですか? その目標を立てて、もしグループリーグを突破したとき、そこで達成感が出たらチームは終 わる。相当厳しいというのは、僕自身、みんなよりも分かっているけど、そこを目指さないといけない。グループリーグ突破とか、ベスト8を目標にして、そこ にたどり着いたとき、その先が見えない。この結果で言うのは恥ずかしいけど、トップを目指したい。自分の人生なんで。笑われても構わない。笑ってくださ い」
―ブラジルとの差はどれぐらいある?
「中学生とプロのレベル。僕が中学生のレベルで、向こうがプロのレベル。個のレベルが違いすぎ る。ただ、レベルの差を感じつつも、1対1で仕掛ければやれるというのもあった。越えられない壁ではないと思っているし、僕の努力次第。詰められるレベル だと思うし、この1年の僕の努力次第だと思っている」
―チャレンジする部分が少なかった?
「前回の方がチャレンジはできていたと思う。監 督もそのことについてはハーフタイムにすごく厳しく言っていた。『ウォーミングアップは終わっただろう』『チャレンジしなければいけない』と。チャレンジ という部分も足りなかった。チャレンジなくして、この試合をやった意味があったのかなというぐらい。ちょっと情けない」
―挑戦していこうという選手が少なかった?
「終わってから(本田)圭佑とも話したけど、個のレベルが違い過ぎる。今の日本代表でブラジル代表に入れるかと言ったら、だれ一人入れない。本当に一人ひとりがトップを目指して、向上心や貪欲な気持ちを持っていかないと、この1年で差は埋まらないと思う」

●DF今野泰幸(G大阪)
―1点目は相手のシュートが素晴らしかった。
「これが世界のスターだなと。あれを大事な大会で決めるのがスターなんだなと感じた」
―今日の試合でポジティブなところは?
「ポジティブなところはあまりない。結局は3失点しているので……。中央を崩されて崩されてというのはなかったけど、2つはサイドからで、一つはカウンター。崩されたという失点はなかったけど、収穫はなかった。それぐらいやれて当たり前だと思うし」
―昨年10月の対戦から差は縮まった?
「0-4から進化しているところを見せたかったけど、全然進化していない。自分たちが伸びていないということを実感させられる厳しい試合だった」
―攻撃でチャンスをつくれなかった。
「チャンスになりそうなところでプレッシャーがきつくて、ボールを取られて、逆にカウンターを受けることが多かった。ブラジルのプレッシャーがすごかった」

ゲキサカ 2013年6月15日

試合後のコメントをご覧いただくと、
ブラジルとの差に大きなショックを受けているようです。

 

まさに自信喪失してしまった選手達のコメントです。
今までの代表であれば、それが当たり前かなというような雰囲気がありました。

「やっぱり、ブラジルは強い!」

というコメントばかりで、
どこに差があるかを冷静に語る選手が多かったと思います。

 

しかし、今回の選手たちは
冷静に語ることもできないくらいのショックを感じていたようです。

これがまさに自信喪失現象ですよね。

自信喪失の本当の意味とは?

この試合後のコメントを見てみると、
自信喪失の本当の意味が見えてきます。

 

それは、逆説的ですが、「そこまでの自信があったということ」なんですね。

 

自信喪失の意味はそこにあります。
「喪失するレベルの自信が確実にあった!」ということの証明です。

 

 

それ以外に意味はありません。

多く方が間違えてしまうのは、
自信を喪失して、現実を知ったことに意味がある

 

と思ってしまうことなんですね。

 

別に自信を喪失しなくても、
現実を知ることはできます。

むしろ、自信を喪失してショックを隠しきれてない選手たちは、
現実を直視できていません。直視しようと必死ではありますが。

 

このたった一つの結果で、
自分たちの自信を本当に喪失する理由にはなりません。

 

現に、次のイタリア戦では世界的にも評価を受ける善戦をし、
イタリアを十分に苦しめました。

それは、負けたにもかかわらず、
マンオブザマッチに香川真司選手が選ばれたことにも表れています。

 

ここで、自信喪失の意味としてお話しした内容を、
もう一度思い出していただきたいのですが、

「喪失するレベルの自信が確実にあった!」

喪失するレベルとはどういうレベルでしょうか?

 

それには、まず国語辞典に戻ります。

喪失:
〔それまでその存立を支えていた大事なものを〕
失うこと。

 

つまり、自分を支えるだけの大切なものにまで、
自信を高められていたということ。

まず、これをポジティブに捉えましょう!

 

 

ただし、次に落とすようで申し訳ないですが、

 

試合前の選手達のコメントから伺えるように、

その自信は「絶対的な自信」ではありません。

自分たちの成長を試したい・・・というようなスタイルです。
自分の中でも確信的なものではないんですね。

 

だから、失ってしまうんです。
たった1試合の結果で。

 

 

以上のことから、

自信喪失してしまったときに考えるべきことは、

 

  • それだけの自信を持てていた自分をポジティブに捉える
  • 喪失感があっても、またすぐに取り戻せばいい
  • そして自信をちょっとしたことでは失わない「絶対的な自信」に変えること

 

これをやるってことですね。

そのためには「絶対的な自信」とは何かということを
考えていかないといけませんが、

そのキーワードはEfficacy(エフィカシー)です。
それについては、こちらで解説しております。
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