肩脱臼の整復方法と応急処置をスポーツドクターが解説

この記事は3分で読めます

野球選手
うわー!外れたー!!

野球コーチ
なに!!どうした!?

野球選手
肩、肩が・・・外れたです。痛い、痛いです!!

野球コーチ
肩が外れた!?(やばい、どうすればいいんだ!)

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今回は肩脱臼(肩関節脱臼)についてですが、
いざ、自分が、もしくは指導している選手が目の前で

「肩が外れた!!」

となったら、慌ててしまいますよね。
それは当然のことです。

ですから、あらかじめ、
現場での基本的な考え方を知っておくことは
非常に大切ですね。

 

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。
SMCの記事をご覧いただきありがとうございます。

 

肩脱臼においては初めての脱臼と、
繰り返す脱臼では考え方を変える必要があります.

今回はそのなかで初回の脱臼の整復方法、
特に現場での処置について、オススメの方法をお伝えします!

肩脱臼の判定方法

脱臼してしまった場合ですが、多くの選手は脱臼感を感じ、
自分で「外れた!」と言います。

ただし、注意が必要なのは、実は外れてないケースもあるということ、
そして、骨折をともなうケースがかなりあるということです。

 

 

そこで、外れているか外れていないかを一番簡単に知るには、
上半身を裸にすることです。

そして、両肩の形を比べれば、
完全脱臼では形からして違います。

外れている方の肩は、
肩幅が狭くなり、外側の丸みがなくなります。

 

また、触ってみてもいいでしょう。

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こちらのイラストをご覧ください。

後ろから見た肩関節

肩峰とは、肩の外側に張り出している肩甲骨のでっぱり部分で、
上腕骨は肩から肘までの腕の骨ですね。

そして、肩の脱臼は、
肩甲骨から上腕骨が外れることですから、
肩峰の下に上腕骨がなければ

それは、すなわち外れているということです。

 

※そういった基礎的な知識も、
専門職であれば身につけられますが、
そうでない場合は厳しいですよね.

変わる快感クラブでは、
現場と専門職の融合がコンセプトですから、
こういう基礎からやっていきます。

肩関節脱臼の整復方法・・・の前に

その上で、現場で脱臼整復に苦労するくらいなら、
素早く電話連絡の上、
整形外科クリニック、もしくは救急外来を受診してください。

現代において、レントゲンで病態を把握せずに、
無理に脱臼整復操作を行う事は

過激な表現ですが、

ほぼ「罪」と言ってもいいレベルです。

その理由は、単純です.

1つは脱臼に見えて骨折であるというケースや、
骨折を併発しているケースがある事です。
肩 骨折 上腕骨
AO法骨折治療 第一版 医学書院

その状況で無理に整復操作をすれば、
骨折がひどくなることもありますし、
骨折や脱臼の形態によっては、脱臼整復が非常に困難なケースもあります.

それなのに、無理に整復しようとして、
神経、血管を損傷してしまうというリスクも十分にあります.

ですから、整形外科もしくは救急外来の受診が絶対必要です.

 

僕自身、病院で診療していて、
残念な経過をたどった患者さんに出会うことがあります。

たとえば、整骨院で脱臼と診断され、
何度も整復操作を受けるが痛みが良くならず、
僕の外来に来て、実は骨折だったとか、
それどころか、実は腫瘍だったとかいうビックリなケースもあります.

(整骨院/接骨院を否定しているわけではありません。
実際に我々の変わる快感クラブの中で
柔道整復師の方も一緒にやっています!)

少なくともレントゲンも撮らずに、
今主流となっている0ポジション法を含む
テキトーやると危ない整復操作はやるべきではないと思います。

 

ですが、限定的に現場で
応急処置的にトライしてもいいかなと考える方法はあります.

現場での唯一試してもいい整復方法

僕が個人的に考えている、
スポーツ現場で試してみてもいい整復方法は、

Stimson法と言われるものの進化板です。

まずStimson法について解説します.
これには高いベンチなどが必要です。

そして、図のようにうつ伏せで寝て、
外れた方の腕をダランと下ろします.
その外れた方の腕の手首に3kgくらいの重りをつけて、
ただただ10分くらい待つ方法です。
Stimson法 肩脱臼整復

基本整形外科手技-検査法,外来・病棟処置法,手術法 (新OS NOW新世代の整形外科手術 (25))第一版 メジカルビュー社

これの弱点は

  • 時間がかかるという事、
  • つるす重りが現場にあるか?ということ(重りを手に持つと力むのでダメです)
  • わきの下での神経、血管の圧迫の危険があること

です。

 

何度も言いますが、
これをやってる暇があれば、病院を受診してください。

ですから、もっと簡易的な方法だけ、
病院受診までの間に応急処置として試すというのがおススメです。

簡易的な方法と言いましたが、
実は意外と効果的です。

それは、これです。

脱力ゼロポジション法

低いベンチでいいので外れてない方の膝と手をついて、
写真の様な姿勢になって、

脱力0ポジション法 肩脱臼整復

肩甲骨から手までをだらーんとします。
この時にいかに力を抜けるかがポイントです。

特に現場では初回脱臼で選手も恐怖や痛みで緊張しています。
なので、重りをつけたり引っ張ったり、
余計な事はせずに、
ただ、力を抜かせる。

多少、だらんだらんカラダを揺らして、
リラクセーションを促したりしながら、とにかく力を抜かせる。
これだけやってみましょう。

 

 

ちなみに、僕自身、医学部1年生の時に、
野球の素振り中に外れた事がありますが、
その時に先輩にこれを教えてもらって、すぐに入りました.

そして、しつこいですが、
この方法で脱臼が
「入ろうが入るまいが」
整形外科ないし救急外来を受診して下さい.

肩の脱臼は初期治療が非常に重要です.

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お読みいただきありがとうございました!

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どうしても多くの患者さんを拝見している中で
時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、
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専門分野は「肩」と「スポーツ傷害」です。

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