筋肉痛予防にはストレッチよりこの戦略!スポーツドクター解説

この記事は3分で読めます

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。筋肉痛、ツラいですよね.
実はこの筋肉痛、医学的にもわかってないことが多い領域です.

ただ、間違いなく言えるのは、
この痛みを抱えながらスポーツをするのは、
パフォーマンスに少なからず影響するだろうということですよね。

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それは筋力発揮そのものの問題かもしれないし、
痛みによって動きのスムーズさが損なわれる事かもしれません。

どちらにしろ、そういった意味では
パフォーマンスの発揮が必要な場面
(試合であったり、試合期の実践練習)においては、
やはり筋肉痛は予防したいものです.

 

本日は、筋肉痛予防の戦略として、
ここ最近、効果がないという報告も出ているストレッチではなく、
効果があるという報告が出てきたある戦略をお伝えします。

運動後の筋肉痛予防策は?

そもそも筋肉痛のメカニズムが不明なので、
「これ!」っていう予防策はありません。

ただし、いくつかの説の中で、
一般にやられる方法について理解しておく必要はあります。

標準的筋肉痛予防策:RICE療法

筋肉痛の原因として、
筋肉の線維のわずか〜な断裂(ごくごく小さな肉離れ)が
原因という説があり、
それなら、外傷と同様に

  • Rest:安静
  • Icing:冷却
  • Compression:圧迫
  • Elevation:挙上

である、RICE療法は効果的だろう!
ということでやられているケースが多いようです。

標準的筋肉痛予防策:ストレッチ

運動後にスタティックストレッチをやるのは、
非常に一般的ですよね.

ただ、いろんな研究をまとめた
Systematic Reviewという論文があるのですが、
それによると、ほとんど「効果なし!」という結果が
出ています。

参考文献:
Stretching to prevent or reduce muscle soreness after
exercise
Cochrane Database Syst Rev. 2011

ただし、この結果を持って、
ストレッチはいらない!と片付けるのは違うかな?と思ってます.

そもそものストレッチのやりかたの問題があるかもしれませんし、
特にストレッチはメンタルも大きく影響すると考えているので、
もっとストレッチそのものを変革していく必要があるということを、
表していると僕は考えています.

 

例えば筋肉痛予防のためのストレッチであれば、
筋肉痛のメカニズムに対して仮説を立てて、その仮説を基に、
ではそれを防ぐならこういうストレッチだろう
と方針を決めて実践する。そして、その結果を検証する。

いわゆる「仮説と検証」

という科学の王道を、スポーツの世界においても、
愚直にやる。

それは必要なことだと思っています。

 

面倒でもこの繰り返しをそれぞれのチームでやっていけば、
面白い事が起こると思っています.

そうやってスポーツ界をもっと着実な形で変えていきたい
そんなことも思っています.

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筋肉痛予防戦略:エキセントリック収縮準備

筋肉痛のメカニズムが不明と言いましたが、
その中でも現在有力な説として、
エキセントリック収縮(遠心性収縮)
が原因という説が有力です。

エキセントリック収縮とは
筋肉が伸ばされながら収縮する形です。

例えば、上腕二頭筋のトレーニングである
ダンベルを持って肘を曲げていくアームカールというトレーニングで、
ダンベルを下ろしていくときが上腕二頭筋の
エキセントリック収縮が起こっているときです。

上腕二頭筋

運動において、エキセントリック収縮は避けようのないものです。
例えば、走る時にエキセントリック収縮をゼロにした、
一発で転倒です(笑)

そして、筋肉痛が起こりやすいケースを思い浮かべてほしいのですが、
大抵、

  • 久しぶりに運動したケース
  • 部活に入りたての新入生がしごかれた後

のような、その運動に慣れていないケースが多いと思います.

それは、その運動で起こりやすいエクセントリック収縮自体に
筋肉が慣れていない事と、

その運動の動きそのものに習熟していないので、
(つまり下手なので)
筋肉に無駄な力が入って、エクセントリック収縮が過剰になっていること
が要因と考えています.

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そんなメカニズムをご理解いただいた上で、
1つ面白い研究をご紹介します.

事前の低強度エキセントリック運動は次のエキセントリック運動の筋疲労を軽減させる効果があることが示唆された。

筋疲労に対する事前の低強度エキセントリックトレーニングの効果について
日本臨床スポーツ医学会誌 2013

これは、
強い強度のエクセントリック収縮のトレーニングの1時間前に、
低い強度のエクセントリック収縮の事前運動を行う事で、
筋肉痛が減った!

シンプルに言えば、そういう研究論文です.

これを応用するなら、

  1. 実際、これから行うトレーニングやスポーツにおいて、強いられるであろうエキセントリック収縮を予測する。
  2. そのエキセントリック収縮の軽めの事前運動をウォームアップで取り入れる

という戦略が思いつきます。

メディカルチェック

久々の運動や、慣れていない運動をやる場合、
新入生などまだ習熟していない選手のトレーニングの場合、
このような戦略をとってみてはいかがでしょうか?

それがどの程度の低強度であればいいのか?
1時間前がいいのか?30分前がいいのか?

スポーツによっても変わってくるでしょうし、
パフォーマンスレベルによっても違ってくるでしょう。

そこは試行錯誤が必要でしょうが、
それも仮説と検証によって、

チームにとって、
あなたにとってベストな

筋肉痛予防戦略としてのストレッチでは内、
エキセントリック収縮準備運動
が導き出せるのではないでしょうか。

診察ご希望の方
当サイト管理人 歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師

川崎市立井田病院
景翠会 金沢病院
さくら通り整形外科

各非常勤医師

関東の複数病院において外来診療・手術を行っている。
ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

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