アイシングは効果ない?時間と目的を考えよう!

この記事は3分で読めます

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。.
アイシング、やってますか?

昔から賛否が分かれるものですが、
応急処置のRICE療法にも組み込まれた対処法で、
広く普及しています.

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以前、このような動画を公開いたしました.
見てない方は、短いので見てみてください。

この動画ではRICE療法はもう古いと言わんばかりの記事、
Ice Age Melting: Rice May No Longer Be the Treatment of Choice for Injuries
そのご紹介と解釈についてでした。

動画で説明したポイントをおさらいします。
この記事は
アイシングは痛んだ場所の血の巡りを悪くするから、
痛んだ場所を治すための物質が届かない。
そのため治りが遅くなる。
という主張です。

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捻挫や打撲後の対処の基本原理

ここで、まずRICEについて整理しておきましょう。

  • R:Rest 安静
  • I:Icing 冷やす
  • C:Compression 圧迫する
  • E:Elevation 傷めた場所を高く上げる

これらは一言で言えば、
「炎症を抑える」ということに主眼を置いたものです。

シンプルに言うと、
「痛んだ場所を治すためのからだの反応で、
痛んだ場所を掃除して、修復するための様々な物質を届ける働き」
を担うのが炎症です。

しかし、我々のからだは常に命を最優先します.
スポーツできるからだに戻すことを最優先することはないわけです。
とすれば、その修復過程は大雑把で、
まわりの痛んでないところですら掃除しちゃって、
ガッツリ痛みを感じさせて、腫れも大きくして、
しっかりながく休ませようとします。

だから、炎症をほどほどに抑える必要があるわけですが、.
そのほどほど具合が、あいまいで難しいんですね。

ただ、少なくともアイシングは、
炎症を抑え過ぎて、血流が悪くなるので、
望ましくないという考えのようです.

アイシングの時間がカギ

一般的なアイシングというのは、
腫れや炎症を抑える意味でやりますから、
10分くらいの短時間のアイシングでは効果がないと考えられています。

ですから、凍傷に気をつけながら30分以上、
そして、傷めた日にはその後も繰り返す様なやりかたも多いです.

そこで、1つの論文をご紹介します.

「Cold-induced vasoconstriction may persist long after cooling ends: an evaluation of multiple cryotherapy units」
Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc 2014

これによるとバラツキはありますが1時間くらいのアイシング後は、
少なくとも1時間半は血流は元には戻らず、低下したままだということです。

そのため、傷めた組織に修復する物質が届かず、
それどころか、一般的な栄養、酸素を運ぶ役割も低下する.
その結果組織が余計に傷つくのではないかと考えられています。

つまり、1時間はやり過ぎかもしれません。

それに対して、動画でも述べている様に
傷めた直後に10分間のアイシングを20分の休みを入れて
1−2回程度やることは必要じゃないかなと思います.

それは傷めた直後の毛細血管や小さめの血管からの出血を
抑えるためです。
出血を早く止める事。それに異論はないと思います.
そのために最初は徹底したRICEが必要だと思います.

10分2セットくらいであれば、
血流低下の効果は強くないのではと推測できます.

もちろん、皮膚からターゲットまでの距離で
時間を調節する事は必要です.

つまり、炎症を抑える為でなく、
初期の微細な出血を抑えるためにアイシングをするということです。

野球のピッチング後の肩肘のアイシングなどはどうか?

この目的で考えると、
これらオーバーユースにならないための
コンディショニングとしてのアイシングもまた難しくなります.

炎症を抑える目的としてのアイシングは、
むしろ逆効果ではないかとなれば、

傷害ではない場合のコンディショニングとしての
アイシングは行うべきではないのでしょうか?

ここも明確な答えはありません.

ただし、少なくとも1時間を超える長時間のアイシングは、
傷害時のRICEとしてのアイシング以上に、
逆効果になる可能性があります。

野球のピッチングでも肩関節の関節包や、
インナーマッスルは毛細血管レベルでは多少は出血しているはずですが、
そのレベルの出血を放置した所で、
異常な腫れや皮下出血になる事は考えにくいので、
現段階の僕の考えとしては、
コンディショニング目的では原則アイシングは行わない
という方向で考えています.

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今日の話については
議論が分かれる所だと思います。
変わる快感クラブでも検証も含めてやっていきたい所です。

診察ご希望の方
当サイト管理人 歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師

川崎市立井田病院
景翠会 金沢病院
さくら通り整形外科

各非常勤医師

関東の複数病院において外来診療・手術を行っている。
ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

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