小学生のサッカー上達法は脳神経への刺激的変化に尽きる!

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利き足,成長痛

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。いつも記事をご覧いただきありがとうございます.
今日は小学生のサッカー上達のポイントとして
大切なお話をしたいと思います。

小学生期の成長について最低限知っておくべき事

以下、今、一般に言われている事をお伝えします.
突っ込みどころはありますが、「言われている事」として、
一度理解してください.

Scammon(スキャモン)の発育曲線というものをご存知でしょうか.
以下のようなものですが、スキャモンの発育曲線 Scammon

この図が表すものは、神経系は5歳までに80%,
12歳までに100%発育?を遂げるということなんです。

それとともに、一般的になっている概念として
ゴールデンエイジという有名な言葉があります。

これについてもサラッと理解しておきましょう。

プレ・ゴールデンエイジ

5-8歳、つまり入学前から低学年までですね。
この時期はスキャモンの発育曲線でも
まだ急激に神経系の発達がされている状況で、
この時期に、神経回路を多種多様な方向に
張り巡らす事が大切と言われています.

それはこの時期の飽きやすい性格とも親和性が高く、
ここでいかに運動における多様な刺激を与えられるかが、
次のゴールデンエイジで専門的な動作の習得のカギを握ると言われています.

ゴールデンエイジ

9-12歳、小学校高学年に相当します.
この時期には神経系の発達は完成に近づき、
しかし脳の可塑性と呼ばれる脳の柔らかさは残っているということで、
「即座の習得」が可能とよばれる時期です.
つまり、ある動作を「見たらすぐにできちゃう」という状態です。

しかし、この「即座の習得」がどれだけできるか、
どのタイプの動きでできるかが、
プレ・ゴールデンエイジでの刺激が充分できているかによると言われています.

突っ込みどころを整理

以上が、一般的に言われている事でした.

突っ込み所としては、
まず、Scammonの発育曲線そのものです。

The measurement of Man という1930年に刊行された文献の
The measurement of the body in childhoodという項目にある図ですが、

要は臓器別の発育曲線として、
容量や重量などの器としての脳の成長を表したに過ぎないわけです。

その機能的な発育とは別なわけですね.

ですから、実際の機能の発育のピークなどは
ずれていてもおかしくないわけで、
そこは明らかにされていません.

もう1つのゴールデンエイジは、
もっと根拠が僕自身は見つけられていません.
客観的なデータがあれば教えていただきたいくらいですが、

少なくとも脳の可塑性を「脳のやわらかさ」と混同していたり、
8-9歳を境界とする根拠がどこにあるのかというのが問題です。

もっと大枠で小学生のサッカー上達を捉えましょう

そんなあやふやな理屈に振り回されるよりは、
もっと大枠で捉えて、かつ、徹底すること。

これをオススメします.

どういうことかと言うと、

少なくとも小学生時期に神経系の発達は
機能的にももちろん加速しているのは間違いないと、
みなさん実感していると思います.

それはScammonの発育曲線を持ち出すまでもなくです。

で、プレ・ゴールデンエイジだろうが、
ゴールデンエイジだろうが関係無く、

神経系にガンガンに刺激を与えればいいと僕は思います.

その中で、のめり込むスポーツがあり、
そのスポーツ動作の上達に熱中するとすれば、
それに任せればいいし、そうでなければ多様な刺激を与え続ければいい。

そうシンプルに考える方が、
結果的にその子にとってもプラスになると思います。

ただし、ここで強調したいのは、
神経系の刺激というのを本当に皆ちゃんとやってますか?
ってことなんです。

サッカー上達の為に徹底した神経系への刺激をすべし!

神経系への刺激と言っても、
なんのことやらとなる人が多いと思います.

ですので、まず整理します.

ある1つの動作を徹底して反復すると、
神経のコネクションは非常に強固になり、
その動作は無意識に正確に行われる様になります.

自転車に何の苦もなく乗れるようになる状態です.

ですが、これをこの小学生の時期に徹底する事が、
神経への刺激を徹底する事ではありません.

この時期の脳神経系は、
コネクションを強くする事は比較的容易にできますが、
ある一定以上の反復刺激の効果は落ちると考えてください.

それは

  • 筋骨格系の未発達性による限界・ケガのリスク
  • 性格的な飽きっぽさ

この2つが要因でしょう。

ですから、この時期の神経系への徹底刺激は、
刺激の「変化」を浴びせ続けることだと考えてください.

常に新たな刺激を与える。

その「変化」を楽しませる。

これに集中してほしいと思います.

具体策としては、以下の2点を考えてみて下さい.

年中同じスポーツなんて愚の骨頂

まずは当然の事ながら、
この時期の子供に同じスポーツで同じ刺激なんてのは
愚の骨頂です.

神経系を鍛えようとしているとは思えません.

しかし、これが日本の現状です.

地域にありますよね?
大抵は野球少年団と少年サッカーチームくらいは。。

最低その2つくらい協力して、交流しませんか?ってことを提唱したいです.

人間関係がどうとか、
大人の事情があるかもしれませんが、
そんなの子供の将来を考えればどうでもいいでしょう。

例えば、
夏は野球がシーズンなので、
実践形式の練習が増えます.
サッカークラブの選手達も1年生から毎年やっていれば
ある程度はできるようになっていると思うので、
実践形式で人数が足りないチームでもサッカークラブの選手も混ざれば、
紅白戦ができるようになるでしょう。

冬はその逆です。
そうやって、アメリカの様に4種類とまでいかなくても、
日本でメジャーなサッカーと野球くらいはサイクルを回す環境は、
すぐにでも各地域で作るべきだと考えています.

ピッチング フォーム 野球

サッカーの選手や親御さんへも理解してもらう必要があります.
野球の動きそのものがサッカーに活かせるというような
安易なものではなく、
もっと根本的な神経系やボールと自分の関係などの空間把握能力など、
脳神経系への刺激としてはサッカーとかけ離れているからこそ意味がある。
そういう説明が必要です.
もうちょっと噛み砕く必要があるかもしれませんね。

1人1ボールでドリブルを磨く ボールに必ず変化を

サッカーの上達という事で言えば、
やはりボールをできるだけ長く扱うことが大事です。

大空翼君の
「ボールは友達」
キャプテン翼 ボールは友達
ってやつですね。
(キャプテン翼 第5巻 集英社)

でも、友達は多い方がいいです。

と言うのは半分冗談ですが、

神経系の刺激に変化を与えるには、
扱うボールに変化を加えるのは基本中の基本です.

ボール

最初はサッカーボールも試合で使うものからいきますが、
その後はサッカーボールのサイズを大きくしたり、小さくしたりしましょう。

次に、テニスボールや最終的には卓球のボールも扱います.
これらはリフティングにも使いましょう。

そして、変化球として、ラグビーボールがオススメです.
予想のつかないバウンドに対する反応、バランス能力が鍛えられます.

変化とはこういうことなんですね。
是非、小学生サッカーの上達法の基礎として取り入れて頂きたい考え方です。

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当サイト管理人の歌島は
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どうしても多くの患者さんを拝見している中で
時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、
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専門分野は「肩」と「スポーツ傷害」です。

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