投球フォームの基本 ほとんどの指導者がわかってないポイント

この記事は4分で読めます

監督「おーい!肘が下がってるぞ!」

選手「はい!すみません!」

選手
(なんで肘が下がるといけないんだろう?
どのくらい上げればいいんだろう?
上げようとするとぎこちないんだよなぁ・・・
でも、そんなこと言えないし・・・)

そんなことを、選手が思っているかもしれません。

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指導者の方は指導する内容に対する
「なぜ?」に答えられること。
もっと言うと、指導する時に合わせて「なぜ?」
の部分の疑問を解消してあげることが大切だと考えています。

「なぜ?」に対する回答がないと、
選手は自分で感じ、考え、修正していく能力が育ちません。
言われたことだけをやり、
結果が出なければ指導者や他人のせいにするというような
自立できない選手にしてしまいます。

 

 

 

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。
SMCの記事をご覧いただきありがとうございます。

今回はちょっと生意気なタイトルにしてしまいましたが、
ぜひ、今回の内容を知っていただいて日々の指導の質の向上に
少しでも貢献できたらと思います。

 

 

投球フォームの基本として、
「肘を下げない」ということ、
これが投球フォームの基本であることに
異論がある方は少ないとは思うのですが、

しかし、

  • 「なぜ、肘を下げてはいけないのか?」
  • 「肘が下がるとはどこに対してどのくらい下がっていることなのか?」
  • 「肘が下がっている場合に、改善する方法は何があるのか?」

この3つの質問にすべて明確に答えられる指導者の方は、
ほとんどいないというのが僕の実感です。
かくいう自分もちょっと前までは答えられませんでした。

整形外科医として肩や肘の解剖、構造、
そして、実際に痛みを訴えられる患者さんを治療する中で、
見えてきたものがたくさんあります。
それでもなお、わからないことも多々あります。

本当に野球、特に投球動作というのは深く難しいものですよね。

では、先ほどの3つの質問にそれぞれ、
僕なりの回答をお示ししたいと思います。

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なぜ、肘を下げてはいけないのか?

まずこの質問から入ります。

なぜだと思いますか?

 

 

「肘が下がると野球肘になるから」
「肘が下がると野球肩になるから」

という回答ではダメなんです。

 

なぜ、肘が下がると野球肘や野球肩になるのか?

これが説明できないと、
理由を説明したことにはなりません。

 

 

もちろん、
「肘が下がると、肩の構造上、うまく使えないから、傷める」

というような煙に巻いたような説明も
説明にはなっていないことを付け加えさせていただきます。

それでは、
「なぜ、肘が下がると野球肘や野球肩になるのか?」

という視点から説明したいと思います。

 

 

 

結論から先にお話ししますが、
この結論は整形外科医や理学療法士など、
関節の専門家でないとイメージできない表現になってしまっているので、
さらに噛み砕いて説明いたします。

まずは結論です。

肘が下がると肩の外旋がかたい状態になる

そのため腕がしなる時(最大外旋位)に
肩の外旋がすぐに限界になり、

肩の外旋を制御する場所に負担がかかり、
同時に肩が外旋できない部分を
肘の外反が補うため
肘にも負担がかかる

結果、野球肩、野球肘の原因になる

 

 

ほかにも肘が下がる弊害はあると思いますが、
これが一番大きいと思います。

それでは順々に解説していきます。

肘が下がると肩の外旋がかたい状態になる とは?

肩の外旋 実際に体感してみましょう

まず肩の外旋ですが、
このような動きです。
肩の内外旋

このように肘を曲げて、
前腕(肘から先)を外側に持っていく動きを
外旋言いますが、

この外旋を「バンザイ」の格好から
やってみていただくとどうでしょうか?
限界まで外旋させてみてください。

投げる時の腕が一番しなった状態になると思います。

 

ですから、しなった状態を専門的には、
「最大外旋位」と呼ぶわけです。

 

 

そして、ためしにその状態から、
肘を少しずつ下げていってください。

外旋で腕がかなり背中側に入っていたのが、
だんだん戻っていきますよね?

 

 

つまり、肘を下ろしていけば
肩の外旋がかたくなっているということを
実際に体感いただけると思います。

肩の構造状の問題

これがなぜ起こるのか?というと、

肩関節の構造上の問題があります。

 

できるだけわかりやすくと思いますが、
正直、少しイメージしにくいかもしれません。

 

あえて、「肩関節さん」と擬人化して説明します。
「肩関節さん」の気持ちになってお読みいただければと思います。

 

 

「肩関節さん」は上腕骨という腕の骨の軟骨が球状の形をし、
肩甲骨という骨が軟骨が受け皿の形をしています。

特に複雑なのが、上腕骨側(腕の骨)の軟骨の形です。

球状ですが、まん丸じゃなくて、
かなり斜めに45°くらいの範囲にしか、
軟骨はないですよね。

(骨の模型なので、
変なキノコみたいなのが生えてますが、
これは模型の仕様です。)  上腕骨頭の形状

 

この形がポイントなんです。

腕を下ろした場合の肩の外旋

まず、腕を下ろした状態で、
外旋してみましょう。

下ろした状態で90°以上外旋できる人はかなり稀ですが、
その理由がこれです。

それ以上外旋すると、
もう肩甲骨の受け皿側の軟骨と対面する
軟骨がなくなっちゃうんですね。

写真でも軟骨が全部前方にいっちゃってるのがわかると思います。

肩関節外旋2

これってどういう状態かと言うと、
ほぼ脱臼なんですね。

 

 

この状態は「肩関節さん」からしたら
たまったもんじゃないわけです。
ですから、脱臼しないように、
なんとか靭帯という筋張ったものを
ピーンと張らせて、外旋しすぎないように制御します。

腕を上げた場合の肩の外旋

それに対して、
腕を上げていった場合を見てみましょう。

そうすると、外旋していっても
肩甲骨の受け皿の軟骨と
常に上腕骨の球状の軟骨が対面するんですね。

これがなぜそうなるかと言えば、
肩甲骨の受け皿の軟骨の面と、
肩関節の外旋の軸の線が
直交するために、常に対向する面は大きく変わらないんです。

写真のように90度どころか、180°でも大丈夫なんです。
肩関節外旋

ですから、肘が下がっていなければ、
外旋しすぎても脱臼することはなく、
「肩関節さん」も、
安心して外旋できるわけです。

「肩関節さん」としても、
外旋を制御する靭帯をピーンと張って、
防御する必要がないので、
外旋しやすいというわけです。

まとめ

以上をまとめますと、

なぜ、肘が下がるといけないのか?

 

その理由として、
肘が下がると肩の外旋がかたい状態になる。
そのため腕がしなる時(最大外旋位)に
肩の外旋がすぐに限界になり、
肩の外旋を制御する場所に負担がかかり、
同時に肩が外旋できない部分を肘の外反が補うため
肘にも負担がかかる。
結果、野球肩、野球肘の原因になる。

と小難しい結論を述べさせていただいた後に、
赤文字の部分の解説をいたしました。

 

それは、「肩関節さん」が脱臼したくないので、
腕を下ろしたとき(肘が下がる方向)には、
肩の外旋はかたくなるということでした。

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さて、次回はこの「肩関節さん」の都合で、
肘が下がると肩の外旋がかたくなる
その結果、肩と肘に負担がかかるという部分の
解説をしたいと思います。

少しでもご理解の助けになりましたら、
ぜひシェアもご検討ください!

ではでは!

 

第2回
野球肩と野球肘の原因としての肘下がりをガチ理解!

変わる快感クラブ野球

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