野球肩と野球肘の原因としての肘下がりをガチ理解!

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前回の記事
投球フォームの基本 ほとんどの指導者がわかってないポイント

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その記事の中で
「なぜ、肘が下がるといけないのか?」
という質問に対する答えとして、

肘が下がると肩の外旋がかたい状態になる。
そのため腕がしなる時(最大外旋位)に
肩の外旋がすぐに限界になり、
肩の外旋を制御する場所に負担がかかり、
同時に肩が外旋できない部分を肘の外反が補うため
肘にも負担がかかる。
結果、野球肩、野球肘の原因になる。

と小難しい結論を述べさせていただき、
黒い太字の部分の解説をいたしました。

それは、「肩関節さん」が脱臼したくないので、
腕を下ろしたとき(肘が下がる方向)には、
肩の外旋はかたくなるということでした。

お読みでない方は、
一度前回の記事に目を通していただければと思います。

 

 

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。
SMCの記事をご覧いただきありがとうございます。

 

さて、今回は赤文字で示した後半部分、
つまりは、「肩関節さん」の都合で、
肘が下がると肩の外旋がかたくなる
その結果、肩と肘に負担がかかるという部分の
解説をしたいと思います。

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肩の外旋がかたい状態で投げると「肩」はどうなる?

肘が下がると肩の外旋が制限される、
つまり「かたい」状態になるということは
前回でご理解いただけたかと思います。

そして、その結果、
肩にはなにが起こるでしょうか?

 

その答えも実は前回の記事にあります。

 

「肩関節さん」は肘が下がった場合に
(前回の記事では、極端に腕を下ろした場合で解説しました)
脱臼したくないから、
「靭帯」という筋張ったものを
ピーンと張らせて、外旋しすぎないように制御するということを
お話いたしました。

しかし、それにもかかわらず、
肘が下がったままで投げ続けるとどうなるか?

 

腕がしなった状態が特に問題です。

外旋がかたいのに無理に外旋しようとしますから、
ピーンと張っていた靭帯が、
だんだんとビロ〜〜〜ンと伸ばされるか、
ブチっと切れてしまいます。

そうすると、肩の関節は、
頑張ってた靭帯の働きが弱まるので、
不安定になります。

脱臼を繰り返すほどのグラグラにはなりませんが、
毎回投げるたびに、球状の上腕骨が、
前後方向に小さくスライドするような
余計な動きが出てきます。

その結果、インナーマッスルにも影響が出てきて、
インナーマッスルの炎症や時に損傷が起こります。

 

 

こういったストーリーで、
典型的な野球肩が出来上がってしまいます。

特にパフォーマンスが高い投手ほど、
しなりを生みやすい、
すなわち肩の外旋が強烈に起こります。

そこで肘が下がっていれば、
想像するだけでも「肩関節さん」は
悲鳴をあげていますね。

逆に、こんなにしなっても、
野茂投手のように肘が下がっていなければ、
あれだけの活躍を長くできるかもしれません。

 

肩の外旋がかたい状態で投げると「肘」はどうなる?

 

次に肘の影響についてです。

パフォーマンスが上がり、
もしくは上げようと力を入れて投げれば、
強い腕のしなりを生みます。

 

しかし、肘が下がった場合に、
肩の外旋がかたくなる。
その結果、強いしなりを
肩でしっかり作りきれないので
(本当は肩甲骨や背骨の働きも重要です!)

肘関節でしなろうとします。

 

肘でしなるとはどういうことかと言うと、
肘の関節の内側が開くような動きです。

これを肘の「外反」と言います。

この肘の「外反」という動き・・・
もともと肘にとっては無理な動きなんですね。

 

あ、「肘関節さん」にご登場いただきましょうか(笑)

「肘関節さん」はもともと
曲げ伸ばししかやりたくない人なんですよ。

「だって形からして、それしか無理だもん!」

っていうのが「肘関節さん」の言い分ですが、

 

それでも時々、
変な投げ方をしたり、転んで手をついたりすると、
曲げ伸ばしとは違う方向に
「肘関節さん」は動かされそうになるので、

「肘関節さん」は強い靭帯を用意しています。

 

それが「内側側副靭帯」と呼ばれる靭帯で、

マー君こと、田中将大投手が痛めて、
ニュースになった、あの靭帯ですね。

他にも松坂大輔投手、古くは桑田真澄投手、
多くのメジャーリーガーが手術を受けています。

内側側副靭帯_肘

 

その「内側側副靭帯」がピーンと張って、
「肘関節さん」にとって嫌な、
「外反」を防いでいるわけですが、

 

それでも、強烈に腕がしなって、
無理に肘でしならそうとすれば、
この靭帯が伸ばされ、時に傷んだり、
子供であれば、靭帯がくっついている骨が、
剥がれたり(剥離骨折)します。

これが野球肘の典型的なメカニズムです。

野球肘については、
こちらでもう少し詳しく解説しているので
チェックしてみてください!

野球肘の症状 内側型と外側型 専門医がわかりやすく解説

まとめ

以上をまとめますと、

 

 肘が下がる

肩の外旋がかたく制限される

肩と肘にそれぞれ無理がかかる

 

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少しでも参考になれば幸いです。
シェアも大歓迎です。

次回は肘が下がることに関する押さえておきたい3つの質問の2つ目
「肘が下がるとはどこに対してどのくらい下がっていることなのか?」

この質問について解説したいと思います。

では!

第3回
肩のゼロポジションと野球の関係 専門医がはじめからていねいに

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