投球フォーム 肘下がりを矯正する一番シンプルな方法

この記事は3分で読めます

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。
SMCの記事をご覧いただきありがとうございます。

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ここまで3回にわたり、
投球フォームの基本中の基本である
「肘を下げない!」ということを解説していきました。

第1回と第2回では「なぜ肘を下げてはいけないのか?」
第3回では「肘が下がっているかどうかの判定はどうするのか?」
について解説いたしました。

まだご覧いただいていない方は、
一度ご覧いただければと思います。

第1回
投球フォームの基本 ほとんどの指導者がわかってないポイント

第2回
野球肩と野球肘の原因としての肘下がりをガチ理解!

第3回
肩のゼロポジションと野球の関係 専門医がはじめからていねいに

そして、4回目の今回は、
「肘下がりをどのように矯正、改善すればいいのか?」

ということを考えてみたいと思います。

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投球フォームの矯正で一番避けたい「落とし穴」

まず、肘下がりの矯正で一番避けたい落とし穴について解説いたします。
指導者の方が、
「肘が下がっているぞ!」

だけ伝えた場合、

多くの選手は、
「あ、肘をあげなきゃ」

と思うはずです。

そうした時に直接的に肘を上げようとすれば、
見かけ上は上がりはしますが、
2つ問題点が生じます。

  1. 実際は肩甲骨も上がって、相対的には結局肘は上がっていないケース
  2. 肘を上げようとすることで、ぎこちないフォームになるケース

このどちらか、もしくはどちらも起こることが多いです。

1.実際は肩甲骨も上がって、相対的には結局肘は上がっていないケース

肘を上げよう上げようと考えて、
僧帽筋(肩こりが起こりやすい場所)に力が入ってしまい、
いかり肩のようになってしまうケースや、

体幹(背骨中心)を側屈、つまりグラブ側に傾けて
体全体で肘をあげるケースがあります。

これはどちらも肩甲骨がより上がりますから、
肘は相対的には上がっていません。

2.肘を上げようとすることで、ぎこちないフォームになるケース

こちらも多いですね。
肘が上がっていてほしいのは、
腕がしなる辺りからリリースまでですが、

投球フォームにおいて利き腕側の肩から腕が最も加速される時期であり、
また、下半身・体幹から運動連鎖が上がってきて、
いかにそれをボールに伝えるかが大切な時期において、

意識的に肘を上げるということは、
その運動連鎖の流れや物理的な慣性力などの力を遮断しかねません。

 

ちょっと表現が小難しいのですが、
端的に言うと、
下半身で貯めた力を一気に瞬間的に爆発して、
腕を振る時期に、
意識的に肘を上げるのって、
かなり無理がありますよね?
ってことなんです。
ですから、ぎこちなくなるのは当然といえば当然です。
ですから、肘が下がっているからといって、
直接的に肘を上げようとすることは原則的にはNGだと考えています。
その視点から言えば、
肘を上げるには、
「その準備段階で上げやすい状況を作っておく」
というアプローチが効果的です。

そして、その中でも最もシンプルかつ、
効果的と思われる方法をお伝えします。

バックスイングで肘を背中側に入れすぎない工夫

バックスイングとは、ステップするときに、
一旦利き腕を下ろしてから、上げていくときの動きですが、
この時に、肘が背中側に入りすぎると、
肘は上がりにくい状態になってしまいます。

これはシンプルに体感してみていただきたいのですが、
腕を前からバンザイまで持っていくことはできると思いますが、
逆に後ろからバンザイまで持っていけますか?

無理ですよね?

肩の構造上、そういうもんなんです。

 

ですから、腕を上げていくときに、
背中側(後ろ)に肘が入りすぎないようにすることは大切です。

背中側に入りすぎちゃう原因はいろいろありますが、

1つの工夫として、腕の下ろし方、
その経路を工夫してみるのをお勧めします。

ワインドアップでもセットポジションでも、
利き手をグラブの中にいれた状態から、
離して下ろしていきますよね。

背中側に入りやすい利き手の下ろし方

このスタートポジションが、
体から離してかなり前方(お腹方向)であれば、
利き手を下ろす経路はお腹側から背中側になります。

こうなるとどうしても背中側に肘が入りやすくなります。

背中側に入りにくい利き手の下ろし方

それに対して、
スタートポジションをお腹あたりにくっつけたところからスタートすると、
利き手を下ろす方向は背中側より、2塁ベース方向になります。
つまり、下ろし方の工夫とは、どこをスタートポジションにするか、
ということが一番簡単で操作しやすいんですね。

1つ参考になる動画を共有いたします。
これは精密機械と呼ばれ、当時メジャーNo.1投手と言われていた、
グレッグ・マダックス投手の動画です。
動画の最初の方はカブス時代であり、
まさに利き手を下ろすスタートポジションが体から離れていて、
バックスイングで肘が背中側にかなり入っています。

しかし、全盛期のブレーブス時代は、
スタートポジションがお腹にペタッとくっついた位置から
スタートしていますので、
肘の背中側への入りがかなり矯正されています。

バックスイングで背中側に入りすぎてしまう投手の
矯正策としては一つお勧めの方法です。

 

最後に

投球フォームの矯正は、
すべての人に当てはまるものはありません。

それぞれ個人個人に合ったベストな矯正法を
見つけていくことが大切であり、

それゆえ、投球フォームの指導、
もっというと投手の育成は難しいんですね。

だからこそ、今回のシリーズ記事のように、
しっかりとした身体に対する知識、
動きに対する知識を持って、
頭の中で理詰めで考える作業を怠らないことが大切です。

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ぜひ、「変わる快感クラブ」で一緒に学んでいけたら幸いです。

シェアも気軽にしていただければと思います。

では!

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