アキレス腱断裂の手術 よくある質問にわかりやすく答えます!

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こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。
SMCの記事をご覧いただきありがとうございます。

今回はアキレス腱断裂の患者さんに、
よく聞かれる代表的な4つの質問
できるだけわかりやすくお答えしたいと思います。

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Q:アキレス腱断裂って言われました。手術しないとダメですか?

A:絶対に手術をしないといけないというわけではありません。

治療を考えるときに必須なのが、
ゴール設定です。

切れたアキレス腱がくっつくのは当然のこととして、
くっついたあとにどのレベルの運動をしたいのか
それとも運動はもうしないのか。

また、可能であればいつまでに治したいのか?

などを踏まえて相談する必要があります。

手術しない場合はギプス固定になる

ギプス
その上で、手術するかしないかを考えるわけですが、
まず、手術しない場合の
メリットとデメリットを整理しましょう。

最低限の目的は、
切れてしまったアキレス腱をくっつける
ことですから、
アキレス腱の切れ端同士が離れていたり、
落ち着きなく動いていたりすれば、
いくら自然治癒力があっても、くっつきません。

ですから、当然ですが、
手術しない場合はギプスで固定することになります。

手術しない場合のメリット

これはまさに手術をしないということがメリットです。

手術というのは、
痛みを感じないようにしっかりと
副作用のリスクがある麻酔薬を使い、

また、手術そのものにも、

  • 切った傷がくっつかない
  • ばい菌が入ってしまう
  • 近くを走っている神経・血管を傷めてしまう

などの可能性は低いものの、
様々なリスクがあります。

これらのリスクを回避できるというのが、
手術をしない最大のメリットでしょう。

あとは、手術には手術費用や
時に入院費用がかかりますから、
この費用をカットすることもメリットになります。

ただ、活用できる保険などもしっかりと検討して、
経済的な面で自分の身体を犠牲にしないように
してほしいなとは思います。

手術しない場合のデメリット

疑いようのないデメリットとしては、
まずギプス固定期間が長くなるということです。

手術をしない場合は、
足首を動かさないことしか、
アキレス腱の切れ端をくっつけておく方策がありません。

つまり、ギプス固定ですね。

そして、腱がくっつくのにはかなり時間がかかり、
多くは8週間くらいはギプス固定をすることになります。

そのため筋力はどうしても強めに
落ちてしまいます。

それもアキレス腱の切れ端が離れないように、
底屈位
つまり、つま先立ちのような状態で固定しますから、
足首はさらにかたくなります。

また、リハビリの過程や
運動を再開したときに、
もう一度切れてしまう、
アキレス腱再断裂という状態は、
いろいろと言われていますが、
少し手術をしない方が確率が上がってしまうようです。

その確率は、
4-8%程度。
つまり、10人に1人はいない程度です。

ただし、手術をしても、
0%にはなりません。

手術した場合

以上をしっかり理解していただくと、

手術した場合のメリット・デメリットは、
その逆だということがわかります。

つまり、メリットは、

  • 固定期間が短くなる(多くは2-4週間)
  • 筋力低下が比較的少ない
  • 再断裂が少し少ない

デメリットは、

  • 傷が開くかもしれない
  • ばい菌が入るかもしれない
  • 神経や血管を傷めるかもしれない
  • 手術費用がかかる

といったことになります。

 
そういうことを考えると、
僕の場合は、ほとんどの人に対して、
特にスポーツ選手には
手術を勧めています。

Q:アキレス腱断裂の手術ってどういう方法がありますか?

A:縫います(笑)

まずシンプルに考えましょう。

アキレス腱というスジが切れているわけですから、
それがくっつけばいいわけですね。

そして、くっつけるには、
アキレス腱の切れ端同士をピタッと、
ギュッとくっつけておいて、
あとは自然治癒力に任せるということになります。

それを手術で達成しようとすれば、
ご想像の通り、

縫う 縫合する

ということになります。

手術方法としては、それだけですから、
シンプルです。

ただ、縫い方というのは
何十個も縫い方が開発されています。

ただ、縫い方でそこまで大きな
差はでません。

その中で、主治医が得意だったり、
これがいい!と信じているものを選択します。

どんな縫い方も、原則というのがあり、
それは2種類の縫い方を組み合わせることです。

 

1種類目は
太めの強い糸で、
腱の中心部分を何重にも糸を通す

コアスーチャー(core suture)

というもの
2種類目は
腱の周りを細い糸で、
整えるように縫っていく、

アクセサリースーチャー(accessory suture)

というものであり、

この2種類を組み合わせて縫います。

ですから主治医に、
「先生はコアスーチャーは何で縫われてますか?」

なんて聞いたら、
主治医は
「ドキッ!!・・・できる!」
って思うかもしれません(笑)

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Q:アキレス腱断裂の手術の入院期間はどのくらいですか?麻酔は?

A:日帰りから数日の入院、麻酔は大きく分けて3種類

アキレス腱断裂の手術を受けるとなったら、
気になるのは入院期間や麻酔についてですよね。

まず麻酔からですが、
これもケースバイケースです。

一番カンタンだけど勇気がいる局所麻酔

一番カンタンですが、少し勇気がいるのは、
局所麻酔注射だけでやる場合です。
つまり、かかとに局所麻酔の注射をするだけで、
完全に起きた状態でやることもあります。

この方法のメリットは、
日帰り手術ができるということです。
つまり、入院しなくていいんですね。

その分、治療費も抑えられます。

デメリットは、
痛みに弱いと、ちょっとつらいこともあるということと、
単純に感覚が多少は残っている状態で
(局所麻酔注射でも多少は触られている感覚が残ります)
手術を受けることの恐怖ですね。

そこがクリアできるのであれば、
この方法もオススメです。

下半身の感覚が麻痺する脊椎麻酔

逆にそれはムリ!ってことになれば、

脊椎麻酔と言って、
背骨の脊髄神経のところに麻酔の注射をして、
下半身の感覚を麻痺させます。

これは感覚がほとんどなくなって、
歩けなくなりますから、
その日は帰れません。入院です。

それでも、翌日には帰れます。

ちょっと負担が強めな全身麻酔

全身麻酔はその名の通り
全身に薬が回り、呼吸も抑えられますから、
身体に対する負担はやや強めです。

ですが、気持ち悪い!!とか、
麻酔薬の副作用が強く出なければ、
この場合でも翌日に帰ることも可能です。

ですから、特別な理由・・・
たとえば、吐き気が強いとか、
高熱が出たとか、
そういったことがなければ、
入院するとしてその期間は
長くて数日と言うことになります。

Q:アキレス腱断裂手術後の注意点はありますか?

A:足を高く上げておくこと

まず術後数日は、
できるだけ足を高く上げておきましょう。

一日中立ちっぱなしで、
足を下ろしているなんてことがあると、

足はすごく腫れたり、むくんだりします。
血液やその他の水分が重力のせいで、
下に下にたまっちゃうんですね。

その状態は傷も縫ったアキレス腱も、
治りが悪くなりますから、

最初の数日は
心臓より足を高く上げている時間を
長めにとりましょう。

寝るときはもちろん、
枕の上に足をのっけるなどしてください。

A:足のゆびをよく動かすこと

手術の後は、
ギプスで足首が固定されていると思います。

ただ、足のゆびは動かせる状態
なっているはずです。

足のゆびを動かすだけでも、
かなり筋肉は働いて、
その結果、むくみが減ったり、
筋力が維持できます。

ですから、気がついたら
足の指を曲げ伸ばしするようにしましょう。

A:主治医とよく相談し、方針を守ること

これは手術後に限ったことではありませんが、
手術の結果が思いの外よくない人というのは、
たいてい、主治医の話を無視して、
無理してしまう人か、

リハビリ期に動かしていいと言っているのに、
過度に怖がって動かさない人です。

ですから当然のことですが、
しっかりと、主治医とよく方針を
相談して、それに従っていきましょう。

逆に言うと、
患者さんが方針を守ってくれないケースは、
僕らの説明が下手くそなケースが多々あるので、
僕自身もいかにわかりやすく、
そして納得してもらって方針を一緒に作り上げられるかを
意識しています。

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