テニス肘の治療における注射 特にステロイドは注意! 専門医解説

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こんにちは、歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

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今日はテニス肘
すなわち上腕骨外側上顆炎の治療として、
代表的な注射、特にステロイド注射について
解説します。

結論としては、
ステロイド注射は行うとしても、
限定的にすべきで、
何回もやるべきではないということですが、

そうはいっても、炎症を抑える効果がある注射を
効果的なものにするための
作戦についてあわせて解説します。

テニス肘とは?原因や症状は?

まずテニス肘の定義、原因、症状について、
おさらいしたいのですが、

詳しくはこちらの記事をご参照ください。
テニス肘の治療ならテーピングが必須!貼り方動画も紹介 専門医解説

カンタンに整理すると

テニス肘:正式には上腕骨外側上顆炎
手首を背屈(反らす)、指を伸ばす筋肉の付着部である、
外側上顆のオーバーユースによる炎症

原因:
テニスのバックハンドの繰り返し
デスクワーク 特にキーボードやマウス操作など

テニス肘(外側上顆炎)の治療としての注射

そう考えると、
起こってしまっている炎症を抑えるという治療は

対症療法とはいえ、
直接的な効果があると言えます。
その中で、
消炎鎮痛剤(ロキソニンやセレコックスなど)を飲んだり、
貼ったり(湿布)、塗ったりすることが
まず行われます。
それでコントロール可能なものであればいいのですが、
そうでない、痛みが続いてしまう場合は、
少し身体に対しては侵襲的ですが、
注射という治療も行われます。

炎症を抑える目的での注射の利点は?

注射も基本は炎症を抑える目的で行われます。

別の注射で神経ブロック注射というものがありますが、
テニス肘の注射とは異なります。
炎症を抑える注射の
一番の利点は

直接炎症部位に強い薬を注入できること
にあります。
昔から使われる注射の薬は、
ステロイドという薬で、
炎症を抑える作用が強いです。
飲み薬にもステロイドがありますが、
基本的にはテニス肘では使いません。

飲み薬は内臓などを含めた全身に作用するので、
強い薬は副作用が出やすいんですね。

特にステロイドは効果が大きい分、
副作用も多いです。
しかし、直接、炎症部位に注射すれば、
全身にはほとんど回らず、
効かせたい場所にだけ効かせることができます。
それが利点ですね。

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テニス肘の注射の欠点は?

では欠点は何かと言うと、

1つは侵襲的と言うことです。

シンプルに言うと、
「痛い」ってことですね。
皮膚、皮下組織、そして、筋肉の付着部に
針が刺さるわけで、
さらに薬が注入されるわけで、

それは、小さな外傷と同じようなものです。

ですから、治療とは言え、
わずかでも逆に痛めつける要素があるということです。
それゆえ、
ごく稀に注射の後に、
むしろ痛みが強まってしまった

という患者さんがいらっしゃるわけです。

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また、ステロイドは強い作用があるため、
何回も高頻度に筋肉の付着部に注射をすると、
その付着部の筋肉に穴が空いてしまう

そういう副作用の報告もあります。

テニス肘に対する注射の有効性は短期的

テニス肘、
すなわち外側上顆炎には
われわれ整形外科医が参考にすべき
診療ガイドラインというものが作成されています。

その中でステロイド注射は有効か?というページがあり、
一部引用します。

ステロイド剤局注と理学療法(パルス超音波,深部マッサージ,エクササイズ)の効果を比較した研究では,短期的にはステロイド剤局注がよかったが,長期的(12週以降)は理学療法が良好であった.再発は,ステロイド剤局注が腱を損傷すること,注射を受けた後使い過ぎたことが原因と考えられる(EF00030, EV level 2).
RCTの13研究を検討した論文では,ステロイド剤局注の有効性についてのエビデンスは十分とはいえない.短期では有効(疼痛の消失,握力の増加)であるが,中期,長期での有効性はみられず,長期では投薬や理学療法のほうがよかった.つまり6週間の経過観察ではステロイド剤局注は有効である(EF00031, EV level 3).
上腕骨外側上顆炎の初期治療におけるステロイド剤局注の有用性を検討した研究によれば,20mgメチルプレドニゾロンと1%リドカイン0.5mLの局注4週後において,ナプロキセン経口投与群およびプラセボ経口投与群よりも有意に改善を認めた.しかし12ヵ月後には3群間に有意差を認めなかった.すなわちステロイド剤局注は初期に有効である(EF00069, EV level 2)

ちょっと専門用語が多いですが、
要は短期的には注射は効果があるが、
長期的にはリハビリなどの方が効果がある

ということになります。
この結果より、
ステロイド注射は
しっかり集中して治すべき時に行い、

それに加えて、大前提となる、
オーバーユースを是正するテーピングなどを行い、
テニス肘の治療ならテーピングが必須!貼り方動画も紹介 専門医解説

さらにはストレッチなどの
リハビリテーションを継続的に行っていく。
というのが基本戦略になると考えています。

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