ストレッチで痛みがある時と痛みがある時の良いストレッチを専門医解説

この記事は3分で読めます

「ストレッチ」と「痛み」
これは非常に重要なテーマです。

ストレッチ中に痛みがある場合に、これはいいことなのか、悪いことなのか?どう考えるべきか?

ということもそうですし、

関節や筋肉に痛みがある時にストレッチをすべきなのか?どういうストレッチが有効なのか?ということも

よく質問されるテーマです。

成長痛,大人,対処

今回はこの「ストレッチ」と「痛み」ということについて、これらの質問にお答えできるように知識を整理していきたいと思います。

こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

ストレッチで痛みがある時はやめるべき

まずストレッチ中に痛みがあるというときですが、

これは結論から申し上げると

良くない状態です。
ストレッチ中に痛みが出るようであれば、そのストレッチをやめるか、痛みが出ないレベルまで伸ばし具合を弱めるべきです。

ストレッチは痛くないギリギリまで伸ばすのが原則

ストレッチというのは筋肉を伸ばすことで、筋肉の柔軟性を高めることを狙ったものですが、

痛みが出るまで伸ばしてしまうと、この痛み刺激を感知した脳や脊髄神経が「これ以上伸ばしてはいけない!」という信号を発します。

 

結果、伸ばして柔軟性を高めたかった筋肉が逆に緊張してこわばってしまうなんてことが起こりかねません。

そのため、ストレッチは痛くないギリギリまで伸ばすのが原則と考えられています。

ストレッチで痛みがあるのはその筋肉や関節を傷めつけている

また、肉離れのあとや関節の炎症があるときにストレッチをすると、通常とは違う痛みを感じることがあります。

これは、その傷めた部位が十分回復していない段階で、ストレッチによってさらに傷めつけている状態で、痛みはそのサインだと考えてください。

つまり、どちらの意味でもストレッチ中に痛みがある場合は、その強度、その種目のストレッチはやめるべきと言えます。

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痛みがある時の有効なストレッチは周りから攻める

逆に関節や筋肉に痛みがある時に、医師やトレーナーからストレッチを勧められることがあると思います。

これはさきほど述べたように、傷めた部分をさらに傷めるような、ストレッチ中に痛みを感じるものを推奨しているわけではありません。

治療 筋肉痛

では、どのようなストレッチが推奨されるのでしょか?

痛みがある時には周囲がこわばっている

関節の痛みにしても、筋肉の痛みにしても、痛みがある時には、その患部の周囲も筋肉が緊張して、こわばっています。

これは身体の自然な反応ではあるのですが、

その周囲のこわばり、緊張によって、
より関節や筋肉の動きがスムーズではなく、ストレスが強まってしまって、患部がさらに悪くなる

周囲のこわばりが、この悪循環の一因になっていることが多いです。

悪循環を断ち切るストレッチ

この

患部が痛い→周囲がこわばる→患部が余計痛くなる→周囲が余計にこわばる→・・・

という悪循環を断ち切るために、

周囲のこわばりを取り除くようなストレッチが有効です。

 

ここまでお読みいただいた方は、シンプルにご理解いただけるかと思うのですが、

患部の近くでストレッチ中に痛みを感じない種目、強度でのストレッチをいくつか組み合わせてやっていく

ということがオススメです。

再発予防にも有効 股関節痛を例に

この周囲のこわばりを改善するストレッチは、痛みの再発予防にも有効です。

一例を挙げてみます。

 

よくスポーツ選手が股関節が痛いという場合に大腿四頭筋の中でも股関節の関節近くに付着する大腿直筋(だいたいちょっきん)の付着部炎(ふちゃくぶえん)を起こしていることがあります。

このときに、炎症が強いときは大腿直筋のストレッチということで、「股関節の伸展+膝の屈曲」を強くすると、

股関節に痛みが走ることがあります。

これはまだ付着部炎の回復がそのストレッチをするには不十分であることを表しています。

 

そのため、まずやるべきは、例えば、股関節を伸展しない、むしろ少し屈曲した状態で膝を深く曲げる。

これは大腿四頭筋の他の3つ、内側広筋、外側広筋、中間広筋のストレッチになります。

 

また、逆に膝を伸ばした状態で股関節を屈曲してハムストリングをストレッチするということから徹底することが「周囲のこわばりを改善するストレッチ」と言えます。

 

ただただ安静によって、大腿直筋の付着部炎が改善しても、周囲のこわばりが残っていると、スポーツをした時に、股関節の動きがスムーズではなく、一つ一つの動きに余計な力が必要とされるので、大腿直筋にも負荷が強まり、結果、付着部炎の再発となってしまいがちです。

 

そういった意味で、痛みの再発予防にもまた、痛みの改善へ向けた悪循環の断ち切りのためにも、周囲のこわばりを取り除くための

患部の近くでストレッチ中に痛みを感じない種目、強度でのストレッチをいくつか組み合わせてやっていく

ということは痛みに対するストレッチの基本と言えます。

まとめ

今回は「ストレッチ」と「痛み」という重要なテーマについて、知識の整理をいたしました。

ストレッチは万能なようで、やりかなによっては痛みの治療において逆効果すら生みかねないものですので、

  • ストレッチ中に痛みを感じるような強度や種目を避ける
  • 痛みがある時は患部近くの痛みを感じない種目を積極的に行う

ということを念頭にやっていただければと思います。

もう一つ興味深いテーマである

「ストレッチ」と「時間」についての記事はこちらをご参照ください。
ストレッチと時間の関係をスポーツ医が解説 時間帯は?頻度は?

診察ご希望の方
当サイト管理人 歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師

川崎市立井田病院
景翠会 金沢病院
さくら通り整形外科

各非常勤医師

関東の複数病院において外来診療・手術を行っている。
ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

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