コンドロイチン硫酸の注射の効果や副作用は?専門医解説

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今回は軟骨に関係するサプリメントで有名なコンドロイチン硫酸が病院で保険診療として注射できるということで、その効果や副作用についてまとめました。

運動器の治療において軟骨というのは非常にやっかいな組織です。非常にデリケートで一度損傷してしまったり、すり減ってしまうとなかなか治しようがないということがその理由ですね。

それゆえ、様々なサプリメントが乱立し、効くのか効かないのかわからないものがたくさん世の中には溢れています。

 

客観的なデータをもとに「効く」とは言い切れないけど、効くかもしれないというものに国民の税金を使うわけにはいかないのでサプリメントにとどまっているわけですが、

そんなサプリメントの1つであるコンドロイチン硫酸も注射であれば効率よく身体の中に吸収されて軟骨がある関節の痛みに効果があるとされて保険適応になっています。

こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

コンドロイチン硫酸の注射の効果と副作用まとめ

それではコンドロイチン硫酸の注射の効果と副作用をまとめていきます。

コンドロイチン硫酸はみずみずしい軟骨の素

まずコンドロイチン硫酸とは?という基本中の基本ですが、

関節の軟骨を構成する物質の1つであり、軟骨の水分維持(みずみずしさの維持)や栄養吸収などに役立っていると考えられています。

このコンドロイチン硫酸が年齢とだんだんと減ってきてしまい、高齢の方に多い変形性関節症(軟骨のすり減った状態)に繋がると考えられています。

飲み薬(サプリメント)と注射の違いは?

このコンドロイチン硫酸は病院で保険がきく治療は注射のみです。

飲み薬は多くの他の軟骨成分のものと同様にサプリメントとして市販はされています。

この違いはなんでしょうか?

 

一番の違いは吸収です。

どんな薬も飲み薬は飲んだ後に消化管から吸収されて血液中に入ってきます。そして血液を介して届かせたい部位に届くわけですね。

ですが、消化管からすべて100%吸収されるなんてことはなくて、部分的に吸収され、さらに肝臓で代謝されたりしながら、血液に到達する頃にはその成分は減っていると考えられます。

しかし、どのくらい減るかは胃や腸、肝臓のコンディションによっても変わるため、減る分をたくさん飲めばいいじゃないかというわけにもいきません。

それは副作用のリスクを高めてしまいます。

 

そのため、関節にコンドロイチンを効率よく届かせたいとなったときには注射の方が圧倒的にいいわけですね。

特に関節というのは血流が少ないため薬が到達しにくい、ある意味「聖域」みたいなところがありますから、飲み薬ではサプリメント止まりというのも頷ける話ではあります。

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コンドロイチン硫酸を注射の効果は関節痛の改善がメイン!

軟骨の成分だから、このコンドロイチン硫酸を注射し続ければ、軟骨のすり減りが治ったり、防げたりするのでは!?と期待してしまうのですが、

そこまでの効果は実証されていません。

 

ある程度効果が期待できるのは、関節の「痛み」です。

この痛みに対する効果もどれくらいかは個人差が大きいのですが、期待できる研究も少しずつ出てきてはいます。

 

※ステロイド単体の注射よりステロイドとコンドロイチン硫酸を合わせた薬(抱合体)の方が炎症を起こしている関節に届いている
Chondroitin sulfate-glycyl-prednisolone conjugate as arthritis targeting system: localization and drug release in inflammatory joints.
Biol Pharm Bull. 2014;37(10):1641–9.

膝関節の中にヒアルロン酸とコンドロイチン硫酸の合剤の注射は効果的で安全である(112人の変形性膝関節症を対象)

Effectiveness of intra-articular injections of sodium hyaluronate-chondroitin sulfate in knee osteoarthritis: a multicenter prospective study
J Orthop Traumatol. 2016 Mar; 17(1): 27–33.
Published online 2015 Nov 14

コンドロイチン硫酸の副作用は?

コンドロイチン硫酸に特有の副作用は特になく、どんな薬でも起こりうるアレルギー反応くらいで安全性が高い注射です。

といっても、アレルギー反応は時に血圧が異常に下がったりするようなショックという状態になることもあり注意が必要です。

一般的には注射したあとにその周囲が赤くなったり、全身が赤くなったりする皮膚の変化が出ることが多いです。

コンドロイチン硫酸の注射は腰にも効く?

このコンドロイチン硫酸ですが、保険適応は関節痛だけでなく、腰痛症も含まれています。

腰の背骨も一つ一つが連なって関節を形成していますので、腰痛症の原因がその関節の痛みであることも少なくありません。

そういった意味ではコンドロイチン硫酸が腰痛症にも効くということはありえる話ですね。

コンドロイチン硫酸の注射とヒアルロン酸の注射の違いは?

コンドロイチン硫酸とヒアルロン酸の違いですが、

どちらも軟骨の成分ということではありますが、コンドロイチン硫酸は血液中に注射するのに対し、ヒアルロン酸は関節の中に注射します。

 

よりダイレクトなのはヒアルロン酸と言ってもいいかもしれませんが、そうは言っても、軟骨に直接注射するわけではないので、それでも厳密には間接的です。

そんな注射部位の違い、物質そのものの違いから、効果に違いがあるのは間違いありませんが、どっちが効くのか?ということについては研究データが足りません。

まとめ

今回はコンドロイチン硫酸の注射について解説いたしました。

まだまだデータが足らず、どこまで効くのか不明なところはありますが、理論的には効果は期待できますので人によってはトライしてみる価値はあるかもしれません。

その場合に大事なのは、まず診断。

痛みの原因が本当に関節の軟骨なのかどうか?という点はハッキリさせておきたいですね。

もう一つ大事なのは治療継続の判断材料になる効果判定です。
どんな治療も個人差が大なり小なりありますから、その治療効果を過小にも過大にもならないようにできるだけ正確に評価することが大切です。

そうしないと、実は少しずつ効いていたのに、「全然効かない!」とすぐにやめてしまったり、逆に全然効いていないのに、「なんか効いている気がする・・・やめるのがこわい・・・」などの理由で漫然と続けることが起こりえます。

効果判定といっても、多くは「痛み」で判定するしかないので、よく使うのはVASスケールと呼ばれる痛みの点数評価です。

 

簡易版として最大限に痛いのを「10」、痛くないのを「0」としてどのくらいの痛みなのかを毎日記録するのがカンタンでいいと思います。

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