オーバートレーニング症候群を症状から判断する方法 専門医解説

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オーバートレーニング症候群という言葉はわかりやすい言葉ですが、実体は想像以上に多岐に渡る症状があります。

オーバートレーニング症候群ではないのに、
「これはオーバートレーニングだな・・・」と自己診断してしまったり、

逆に
「なんかここしばらく不調だな・・・」と思っていたら、オーバートレーニング症候群だった!!

なんてことも少なくありません。

 

今回はこのオーバートレーニング症候群とは?という基本から、どういった症状があって、オーバートレーニング症候群かどうかはどう判断するべきなのか?といったことについて解説したいと思います。

さらにはこのオーバートレーニング症候群の治療法についても解説いたしますので参考にしてください。

こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

オーバートレーニング症候群とは?

オーバートレーニング症候群はトレーニング(訓練、エクササイズ、練習、試合)による疲労と休養による回復とのバランスが崩れ,疲労が解消されないままトレーニングや競技が継続された結果生じる競技力低下の状態とされています。

 

ザックリ言うと、

練習しすぎて疲れが溜まりパフォーマンスが落ちている状態

ということになりますが、

それは単に「疲れが溜まった状態」で、症候群なんて病名にする必要があるのか?という疑問があると思います。

 

そこで、さらにヨーロッパやアメリカのスポーツ科学、スポーツ医学会の発表によると

パフォーマンス低下状態が数週間以内に改善するモノをオーバーリーチングと呼び、数週間以上続いてしまうものをオーバートレーニング症候群と呼ぶというように区別しています。

メディカルチェック

つまり、ザックリ言い直すと

練習しすぎて疲れが溜まりパフォーマンスが落ちている状態が数週間以上続いてしまう状態

これがオーバートレーニング症候群と言えます。

オーバートレーニング症候群の症状

このオーバートレーニング症候群はパフォーマンス低下状態ということですが、具体的には様々な症状を含みます。

身体的な症状だけでなく精神的、メンタル面での症状も結構多いのが特徴と言えます。

身体的な症状

まず身体的な症状です。

筋肉の痛み

トレーニングの負荷にまずダイレクトに影響くるのは筋肉ですね。

もちろん、トレーニングに筋肉痛はつきものですが、

その筋肉痛が長く残るとか、痛みが強いとか、あまり経験したことのない場所に筋肉痛が起こるなどは注意です。

オーバーユース症候群

オーバーユースは使いすぎ症候群とも呼ばれる局所的な痛みの原因です。

こちらで詳しく解説しておりますが、
https://sprain-bible.com/archives/2080.html

これは多くの障害を含みます。

例えば、膝蓋腱炎アキレス腱炎のような筋肉、腱の付着部炎だったり、シンスプリント野球肩などスポーツ障害の多く、もっと重症なモノであれば疲労骨折などですね。

パフォーマンス低下

スポーツのパフォーマンスの明らかな低下も典型的です。

自覚的には「なんか調子が悪いなぁ」という感じから、
明らかに成績が落ちてくることもあります。

精神的な症状

精神的な症状が多彩なのもオーバートレーニング症候群の特徴です。その症状は「うつ病」に近いと言われていますし、実際にオーバートレーニング症候群の選手が精神科を受診すると、かなりの確率で「うつ病」と診断されるとも言われています。

それではその症状を見ていきましょう。

  • 疲れやすい
  • 不眠
  • 食欲の変化(低下や極端な増進)
  • イライラ、不安
  • 体重減少
  • モチベーション低下
  • 集中力低下

どれをみてもうつ病と共通した症状ですが、オーバートレーニング症候群においても身体的なストレスが過度になる結果、ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されて、結果、コルチゾールなどのストレスホルモンに対する感受性が悪くなってしまって、ストレス耐性が落ちてしまう。

というメカニズムが考えられています。

あなたの症状はオーバートレーニング症候群なのか?

これらの症状に当てはまるものが多く、
これ以外の症状が少なければオーバートレーニング症候群の可能性が高いというのは当然ですが、

オーバートレーニング、つまりトレーニングの負荷が過度であった時期があったことが大前提です。

これは量的に過度なのか、質的に過度なのか、その両方なのかはケースバイケースでどれもあり得るということがポイントです。

「そんなに長時間のトレーニングや量はこなしてないんだけどなぁ・・・」

というときも、

短時間に今までにないレベルの負荷(重量やスピードなど)をかけたなどは質的な過度なトレーニングになり得ます。

診断には病院での採血なども参考になる

ここまでの多彩な症状が出そろっていれば、オーバートレーニング症候群を強く疑うことができますが、すべての症状が出るわけではありません。

また、別の病気・・・例えば、感染症や貧血、肝臓の異常などでも似たような症状が出ることがあります。

そういった意味では補助的な検査として採血をすることも有用です。

オーバートレーニング症候群では筋肉からでる酵素であるCK(クレアチンキナーゼ)という値が高くなりますし、男性ホルモンの値やストレスホルモンのコルチゾールとの関連も言われていますので参考になります。

オーバートレーニング症候群の治療

このオーバートレーニング症候群の治療はどうすべきなのでしょうか?

原則はトレーニングの中断・休養で回復を待つ

まず何より大切なのは休養です。

過剰なトレーニングは中断しなくてはいけません。

そして、オーバートレーニング症候群の重症度によって休養具合を調整します。

重症であれば完全な休息が必要ですが、軽症であれば軽いトレーニングを続ける方が早いこともあります。

アクティブレスト(積極的休養)も上手に使う

軽い運動による休息をアクティブレスト(積極的休養)などと言われて、スポーツ選手の休日の過ごし方においても推奨されています。

ジョグ&ウォーキング

これは、気分を改善したり、食欲増進したり、よく眠れたりというような精神的な面でのオーバートレーニング症候群の症状改善にも効果的です。

一時的に薬の力を借りることも考える

オーバートレーニング症候群は過度のストレス反応によって身体的にも精神的にもパフォーマンスが落ち、モチベーションが落ちていて、その多彩な症状がさらにパフォーマンスを落とすという悪循環に陥っていますから、

そこを遮断するために薬を使うことも積極的に考えていいと思います。

精神面の症状が強ければ、抗うつ薬を使いますし、眠れないようであれば睡眠導入剤を積極的に使います。

しつこい筋肉の痛みや関節の痛みであれば痛み止めを使ったり、局所的には注射を使ったりします。

病院は何科に行けばいいの?

これらの治療を受けるためには病院に行く必要があります。

オーバートレーニング症候群に精通したスポーツドクターが一番いいと思いますが、なかなか近くにはいないということもあると思います。

その場合は身体的な症状が強ければ整形外科精神的な症状が強ければ精神科や心療内科というのが1つの選択の目安になります。

まとめ

今回はオーバートレーニング症候群の症状をお伝えしながら、オーバートレーニング症候群のメカニズムや治療の大枠を捉えていただけるような記事を心がけました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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当サイト管理人の歌島は
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