バッティングの割れの練習は腹斜筋を活性化! スポーツ医解説

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今回はバッティングのスイングスピードを左右すると言ってもいい必須動作「割れ」習得方法、強化方法について解説していきます。

「割れ」というのは感覚的な表現ですが、かなり解剖学的にも物理学的にもわかりやすい必須動作ですので理解した上で、しっかり習得し、強化し、スイングスピードを上げていってください。

こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

バッティングにおける「割れ」とは?

バッティングにおける「割れ」というのは

 

前足をステップして着地した瞬間のいわゆる「トップ」と呼ばれる状態からインパクトちょっと前までの瞬間に訪れる骨盤のラインと両肩のラインのスピン度合いの「差」

と定義しています。

この下の2つの写真はトップの瞬間ですが、どちらもある程度の「割れ」はできています。

特に背番号8の選手の方が、

骨盤(ベルトのライン)の回旋が始まっているのに対して、両肩のラインはまだしっかり閉じているので割れができていますね。

teenage baseball player in the batter’s box

バッティングの最重要ポイント スピン連鎖(運動連鎖)

基本、野球の動作は下半身から上半身へ伝えますが、

バッティングにおいても同様で、ステップしてから、その並進運動エネルギーも活用しながら股関節を回旋させ、それは骨盤のスピンとなります。ここで両肩のラインのスピンはまだ始まらないため、骨盤と両肩のラインはねじれている状態になります。

このねじれを「割れ」と表現しているといってもいいでしょう。

スピン連鎖のエネルギーは伸張反射

そして、このねじれが生み出すのは、ねじられた筋肉によるねじり戻し反射です。

筋肉には急に伸ばされると反射的に縮もうとする働きがあります。これを伸張反射と呼びますが、これがスピン動作においても起こせます。

 

そして、このスピン動作における伸張反射エネルギーを下から上に伝えていくことでスピン速度が連鎖的に高まり、最終的にバットスイングの速度になるわけです。

こういう連鎖を運動連鎖とスポーツ科学では呼びます。

バッティングにおける割れの主役は「腹斜筋(ふくしゃきん)」

特にこの運動連鎖の中でもスピン連鎖の主役は腹斜筋です。

腹斜筋は外腹斜筋と内腹斜筋があり、右と左の横っ腹にある筋肉です。この筋肉は体幹のスピンと体幹の側屈を担当しています。

プロレベルになると腹斜筋の肉離れが一気に増える

プロレベルになると肉離れの発生部位の上位に腹斜筋が躍り出ます。腹斜筋の肉離れが上位にあがるスポーツは珍しく、たいてい、もも裏のハムストリングやふくらはぎの下腿三頭筋が多いです。

それだけプロレベルのスイングスピードでは腹斜筋に負担がかかるということがわかります。

ということは、「割れ」を習得し強化するには、いかに腹斜筋をうまくスイングにおいて使えるか?ということと、使えるようになったあとには筋力を上げるか?という視点が大切になります。

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腹斜筋活性化のための長尺バットスイング

まずは腹斜筋をスイングにおいてうまく使えるようになるための練習です。それにオススメなのは長尺バットと呼ばれる1m超えのバットを使った素振りです。

 

これはバットのヘッドが下がらないように意識しやすいというメリットを言う人がいますが、それに使うのはそんなにおすすめしません。

バットのヘッドが下がらないようにするのと、スイングスピードを上げるのは、実は相反する部分が少なくないんですね。

そのため、この腹斜筋活性化トレーニングではいかにスイングスピードを高めるかを意識して素振りをしてください。バットのヘッドが下がってもかまいません。

また、上半身にもあまり力が入らず、スピン連鎖をスムーズに発生させるために、バットのヘッドはかなり寝かした状態でシンプルにスイングすることをオススメします。

この大記録の年のイチロー選手くらい寝かしちゃったほうが上半身に無駄な力が入りにくいと思います。

腹斜筋のトレーニング

次に、腹斜筋の筋力強化トレーニングです。

腹斜筋のトレーニングというとツイストシットアップと呼ばれる、ひねりながらの上体起こしが有名ですが、これは所詮は腹直筋のおまけで腹斜筋に負荷をかけているだけですので、

こちらのようにサイドプランクからさらに体幹のひねりを加えるというようなトレーニングをおすすめします。

まとめ

今回はバッティングにおける必須動作である「割れ」について解説し、その習得法、強化法についてお伝えいたしました。

いろいろな指導がなされますが、それが具体的に身体ではどうなっているのか、その正体をはっきりさせた上で練習、トレーニングをすることは、パフォーマンスアップの近道になります。

少しでも参考になりましたら幸いです。

診察ご希望の方
当サイト管理人 歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師

川崎市立井田病院
景翠会 金沢病院
さくら通り整形外科

各非常勤医師

関東の複数病院において外来診療・手術を行っている。
ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

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