女性のためのインナーマッスルの鍛え方 スポーツ医が解説

この記事は4分で読めます

インナーマッスルは女性の間でも注目されているようです。

それは美に繋がると考えられるようになったからかもしれません。

実際、インナーマッスルがもし発達したら、プロポーション、スタイルに変化はあるのか?
と言うと、アウターマッスルのような身体の輪郭の変化はわずかでしょう。

しかし、姿勢の変化が美的にプラスに働くことは実際にあると考えます。

インナーマッスルを鍛えれば
何でも解決するかのような風潮がありますが、
さまざまな女性が喜ぶメリットについてまずは整理しながら、

このサイトらしく、

女性アスリートにとってのインナーマッスルという視点まで拡げていきたいと思います。

こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

インナーマッスルを鍛えて得られるメリットは本当か!?

インナーマッスルを鍛えれば
何でも解決するかのような風潮がありますが、
それは誇大だなというものも中にはあります。

さまざまな女性が喜ぶメリットについてまずは整理してみます。

1.基礎代謝が上がって痩せる!?

これはよく言われますね。

筋肉量が増えれば、
それだけで身体が使うベースのカロリーが増えるので、
同じ食事量でも痩せやすくなる。

という理屈は正しいですが、

それをインナーマッスルを鍛えることで達成しようとするのは
間違っていますね。

インナーマッスルは深いところにある小さな筋群です。
そもそもの筋肉量が少なく、
そして、筋肉量を増やすというのも簡単ではありません。

この目的ならアウターマッスルを鍛える方が
何倍も効率的です。

2.内臓の下垂を改善できる

これはインナーマッスル全体と言うより腹横筋に限った話ですが、

これは理屈からしてもそうだと思います。

腹横筋は腹膜のすぐ外側にあり、
腹筋の中で最も深いところにあるインナーマッスルですが、

これが使えていると、
腹部は締まります。腹圧が高まります。

そうすると、腸を中心とした内臓はいい位置に保たれますが、
逆に腹横筋が使えていないと、
内臓が垂れ下がってしまい、

いわゆるぽっこりお腹、ビールっ腹と呼ばれる状態
の1つの原因となってしまいます。

また、この腹圧が高まることで期待できるメリットは

3.腸の動きの改善が期待できる

4.腰痛の予防が期待できる

ということに繋がります。

4番目の腰痛予防については腹横筋だけでなく、
腰の背骨の近くを走るインナーマッスルである
多裂筋(たれつきん)なども効果的に働くと考えられています。

5.身体のむくみを改善

骨盤の歪みなどが改善されるので
血液やリンパの流れが改善してむくみが改善する

という説はよく聞きますが、

これは理屈としても「ホントか?」と疑ってしまうレベルです。
これは期待はしないほうがいいかなと思います。

ということで、

よく聞くメリット

  1. 基礎代謝が上がって痩せる!? ⇒ ×
  2. 内臓の下垂を改善できる ⇒ ○
  3. 腸の動きの改善が期待できる ⇒ ○
  4. 腰痛の予防が期待できる ⇒ ○
  5. 身体のむくみを改善 ⇒ ×

というのが僕の今のところの意見です。

一般女性が狙いたいインナーマッスルの鍛え方

このように一般女性が恩恵を受けやすい効果として考えると、
全身のインナーマッスルを鍛えるというより、
体幹のインナーマッスルに限定して鍛えればいいということになります。

ということでまずは、

体幹のインナーマッスルの鍛え方ですが、
基本中の基本は腹横筋です。

腹横筋の鍛え方

腹横筋やそのトレーニングの基礎である
ドローインについてはこちらで解説しております。

腰痛予防の筋トレの決定版はこれだ!

多裂筋の鍛え方

また、

腰椎の周りを走るインナーマッスルの代表は多裂筋です。
多裂筋は積み木のように積み重なる背骨を
それぞれ繋ぐように斜めに走っている筋肉で
腰から背中を反らしたり、左右に傾けたり、回旋するときに働きます。

といってもインナーマッスルですから
強烈な力が加わるわけではなく、
そのトレーニングはやはり安定性がキーワードです。

体幹を安定して動かすために働く多裂筋を
効果的に効かせるには、
ゆっくりと動くということが大切です。

体幹トレーニングや
コアトレーニングと呼ばれるトレーニングは
同じ姿勢を保持したら、
ゆっくり動くものがほとんどでしたね。

例えば、このように腕や脚を対角線的に動かすことで
体幹には回旋や側屈力が加わりますが、
それに対抗するように体幹は動かさずにいる。
そういう時に多裂筋はしっかり効いてきます。

女性アスリートに重要なインナーマッスルは股関節周囲にあり

さらに女性アスリートという視点でいうと
体幹のインナーマッスルだけでは
足りないかもしれません。

体幹以外のインナーマッスルと言うと
どこをイメージされるでしょうか?

実身体の浅いところを走る筋肉を
アウターマッスル
深いところを走る筋肉を
インナーマッスルとすれば、

インナーマッスルは
どこにでもあるとなりますが、

その役割を考えると、

関節の安定性が特に重視される関節
というのがインナーマッスルの
重要性が高い部分と言えます。

ですから、肩関節のインナーマッスルは
昔から野球選手などを中心に
盛んに重要性が叫ばれるわけです。

肩のインナーマッスルについては
こちらの記事もご参照ください。

肩のインナーマッスルの鍛え方 動画でわかりやすくby専門医

ただ、こと、女性アスリートについて
考えた時に、

肩よりも重視したいのは
股関節です。

股関節も肩に次いで可動域が広い関節です。
脱臼することは稀ですが、
股関節が不安定だと、結果としてその下の
膝や足首がぐらつきます。

そして、膝の靭帯損傷、足首の捻挫
ということに繋がる。

女性アスリートの膝の靭帯損傷は
特に問題になることが多い怪我です。

膝の関節には
インナーマッスルらしいインナーマッスルは
特にありません。

強いて言えば、膝窩筋(しつかきん)が
関節のすぐ近くを走りますので
インナーマッスルと言っていいですが、
それだけ鍛えても
膝の安定性への貢献は少ないと思います。

そういう意味でも
股関節のインナーマッスルのトレーニングは
ぜひやりたいところですね。

股関節のインナーマッスル:短外旋筋群

股関節のインナーマッスルの代表は

短外旋筋群(たんがいせんきんぐん)です。

その名の通り股関節を外旋する筋肉ですが、
膝の靭帯損傷の典型的な状態である
膝が内側に入ってしまう(knee in)状態に
対抗する筋肉としても
トレーニング効果が期待できます。

例えば、こんなトレーニングですね。

まとめ

女性のためのインナーマッスルの鍛え方について、その考え方から整理しながらお伝えいたしました。少しでも参考になりましたら幸いです。

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当サイト管理人 歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師

川崎市立井田病院
景翠会 金沢病院
さくら通り整形外科

各非常勤医師

関東の複数病院において外来診療・手術を行っている。
ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

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