試合中の投球フォーム変更を指導されときの対処法をスポーツ医解説

この記事は5分で読めます

今回は試合中にもらうアドバイス、指導に対して、混乱してしまう選手が少なくない

という問題と

試合中にいかにパフォーマンスを修正していくか?
という修正能力について考えてみたいと思います。

こんにちは、整形外科医でスポーツメディカルコーチの歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

試合中にピッチングフォームの乱れを指導されるケース

例として挙げるのは野球選手によくある
試合中の指導についてです。

特にピッチャーはその日の調子がイマイチ
だとしても、どうにかその中でも
相手を抑えるために
修正していく力が求められます。

特にピッチングフォームの乱れなどを
修正するという場面を想定します。

試合中の投球フォームの修正能力

その試合中の修正能力というものは
一朝一夕に身につくものではないわけで、

そうなると監督、コーチの助言というのも
役立つことは当然あるわけです。

 

そこまではタテマエ上の一般論ですが、

 

僕はやはり自分のピッチングの修正能力は
自分で磨く必要があると思います。

その理由の1つとしてはリスクの問題です。

試合中という限られた時間内に
改善できることなど微々たるもので、

変え過ぎれば逆に大崩れするリスクもあります。

 

そんな中で監督、コーチの言う通りに
フォームを変えようと頑張ると、

自分の感覚というものを
一度捨て去らないと
要求通りに変えられないケースがあり、

大崩れしてしまうでしょう。

よくあるアドバイスは

「肘が下がってるぞ、上げていけ」
「体重移動がなってない、もっと、前に乗せるんだ、下を使え」

などでしょうか。

このアドバイスが正しかろうとそうでなかろうと
(そうでないことも多いのが野球界の闇ですが)

このアドバイスをもとに修正できるか否かは
今のところ、

センスの良し悪しと性格による

というのが現状です。

それはどうにかしないとですね。

 

では、どのように試合中の修正能力を
身につけていけばいいのでしょうか?

また監督、コーチのアドバイスには
どのように対処すればいいのでしょうか?

コーチのアドバイスでフォームが良くなる人・悪くなる人

本来、その選手を良くしようという思いで
監督、コーチはアドバイスしますから、
その通りに素直にやっておけば良くなる

と思うのですが、

人のパフォーマンスを改善させるのは
容易なことではありません。

その大きな理由は

一人一人、感覚が違うということです。

ですから、

「肘を上げろ」
とアドバイスしても、

「十分上げようとしてるんだけどなぁ」

となることは少なくありません。

 

野球に関して言うと
僕個人的には

監督、コーチのアドバイスが外れてる
不適切である

というケースは少なくない印象です。

 

それだけ野球って難しいということと、
残念ながら、
野球を学ぶという機会がないということが、
その要因だと思ってます。

試合中のフォームに関するアドバイスはシカト!?

そんな中でどう対処すべきか?

と言うと、

まず、監督、コーチからはそのように見えている
という本当は客観的と言い切れないこと
(監督、コーチの主観ということ)

とはいえ、

自分で自分は見れないので、

ありがたく客観的事実に近い情報をいただいた

という意味で感謝して、
受け取る。

 

そして、その事実が、
今のパフォーマンスの不調とどう関連してるか、
それを考え、自分なりにも対応策を考える。

今のパフォーマンスとの関係を考えて、
変える必要がないと判断すれば、

アドバイスには

「はい、ありがとうございます!」

と言って、

変えようとしている仕草でも数回やって、
その後、シカト(無視)しちゃえばいいです 笑

ということで、

監督、コーチへのアドバイスの対応策 その1

1.客観的事実に近い情報をいただいて感謝
2.それに対して自分のパフォーマンスとの関係を考える
3.変える必要がないと判断したら、感謝を述べて、変えようとしているフリだけして、シカト

このくらいの図太さがないと
今のまだまだ未熟なスポーツ業界の中で、
指導者に潰されずに成長するのは
難しいかもしれません。

特に野球界は…

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自分で考え、自分の感覚を重視する

と、シカトなんていう、
トンデモナイ対応をお伝えしましたが、

むしろキモはそこではなくて、

自分で考えるということです。

自分で考えて、判断して、
その結果なら、シカトもあり!というのが、
僕の意見です(うまくやるのを前提ですが)

ただ、これは、その監督、コーチが
もう一つ、イマイチな場合です。

信頼がおける監督、コーチなら
その自分の考えも伝えて、
その中で相談しながらベストな解答を出せるので、

当然、それが1番です。

 

しかし、野球においては特に、

「俺のいう通りにやれ!」オーラがハンパない

そういう人が多いので、
コミュニケーションにならないことは
多々あります。

 

そういう場合の対処ですので、
信頼できる指導者の下でやってる場合は、
むしろ、正直に自分の考えや感覚を伝えて、
その擦り合わせをしましょう。

 

今回はもう一つ、

自分の感覚と客観的事実との擦り合わせ

ということを考えてみましょう。

「肘が下がってる!」

と言われて、

「なんか球が高めに抜けるんだよなぁ」
「肩が重い感じがある」

という感覚や感触の場合、

もしかしたら、なるほど!と思えるかもしれません。

ピッチング フォーム 野球

少し肘を上げたフォームで
シャドーピッチングしてみたり

前田健太投手がよくやるような
マエケン体操で、肩甲骨をほぐしてみたり

そういったポジティブな対処ができます。

逆に、

今日はブルペンで身体の開きが
早い感じがしたから

ステップの時からより意識して
開かないようにしていて、
たしかにそのせいで肘は下がり気味になってる

という感覚だとしたら、

ある意味、狙い通りなので、

…シカトです 笑

 

このように
自分の感覚を重視してやっていると、

客観的なアドバイスをもらった時にも
それをどう判断するかは
結構スムーズにいきます。

ここで、一回まとめますと、

アドバイスに対して、

自分で考えて判断すること
自分の感覚と擦り合わせて判断すること

が基本です。

もし、選手の話をよく聞いてくれて、
押し付けない
そんな信頼できる監督、コーチなら
もちろん、相談しましょう。

ということになりますね。

アドバイスに従って試合中にフォーム修正する場合

アドバイスに従って、
改善した方がパフォーマンスが上がりそう

と「自分で」判断できた場合の話をします。

多くの場合、そのアドバイスは
試合中にはじめてされるアドバイス
ではないはずです。

練習中にも言われたことがあり、
それに対して、うまく修正できた時に

「そうだ、それでいい!」

っていうフィードバックを
もらったことがあれば、

そのときの記憶と感覚は使えます。

 

しかし、はじめてのアドバイスだとしたら、
それを試合中に消化するのは困難です。

困難ですが自分で判断して
トライしようとするなら、

やはり自分の感覚と擦り合わせながらやります。

例えば、「肘がさがってる」
と言われて、修正しようとしたら、

まずは、

肩甲骨周りをほぐして、
肘が上がってるイメージだけ繰り返して、

実際投げる時は無心とか、
リリースポイントだけを意識するとか、
最小限の意識にする。

というところから始めて、

 

それでも肘が上がってこなければ
(監督、コーチからさらに言われれば)、

実際にイニングの合間に
シャドーピッチングで肘を上げ気味で投げてみる

それでもダメなら

パフォーマンスにも悪影響が出ないような
意識の仕方で、実際に投げる時にも
肘の高さを維持してみる。

それは人それぞれ違いますが、

例えばリリースポイントを上げるイメージで、
ボールの軌道や腕の軌道も、より縦振りに
近くなる感じなどでしょうか。

このように段階的に修正していくのが
オススメです。

ちなみに、
最近いただいた相談では

試合中に体重移動を指摘されたケースですが、

体重移動というのは、
こちらの記事でも解説してますが、

ピッチングの体重移動 誰も知らない投球動作の基本

とても本質的で、抽象的な概念ですから、

その一言で改善させようとするのは無理です。

もっと、改善ポイントを絞らないといけません。

例えば、軸足を残すとか、
上体を前に倒すとか、
ステップ幅を狭めるとか、

そんなポイントですね。

やはり、野球の指導は難しいです。

そんななかで順調に成長していくのは、
たまたまセンスがあったのか、
たまたま運が良かったのか、
たまたまピッタリ合った最高の指導者に出会ったのか・・・

どれもなんとなく偶然だったり、
才能だったりというような、
後天的にどうしようもない世界になってしまいがちです。

僕の場合、
それをどうにかしたいという思いが強いわけですが、
道はまだまだ果てしなく、険しい。

それゆえ、やりがいしかないと思っています。

まとめ

試合中に投球フォーム修正を指示されたときに、混乱してしまう人が圧倒的に多いので、どう対処すべきかについて解説しました。
少しでも参考になりましたら幸いです。

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当サイト管理人 歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師

川崎市立井田病院
景翠会 金沢病院
さくら通り整形外科

各非常勤医師

関東の複数病院において外来診療・手術を行っている。
ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

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